‟小麦大国”群馬の「沼田名物 だんご汁」って知ってる? 「すいとん」との違いは?
昔から二毛作が盛んな群馬は、小麦の生産が盛ん。”小麦大国”として、令和の米不足もなんのその。小麦を使ったソウルフードがあふれている。 ▶︎すべての写真を見る 日本三大うどんのひとつ「水沢うどん」や、盛りの良さが自慢の「高崎パスタ」、最近全国にその名が知れつつある(たぶん)「焼きまんじゅう」。そんなメインストリームたちから100歩くらい下がってひっそり生き残る、肌寒くなってきた今の季節にぴったりな小麦料理がある。 その名は「だんご汁」。 小麦で‟だんご”って、要はすいとんみたいなやつでしょ? と容易に想像できてしまうのが少々辛いが、本当にただの‟すいとん”なのか? を確かめるべく、群馬県北部に位置する沼田市へと車を走らせた。
タコ焼き屋じゃないよ、食事処だよ
関越自動車道の沼田I.Cを降りてすぐ、ナビから右方向へ促すアナウンスが流れた。そういえば、左へ行くと全国の道の駅ランキング上位常連の「川場田園プラザ」も近くなんだよなぁ。雪ほたか(高級ブランド米)のおにぎり食べたいなぁ。いやいや、米じゃない、小麦を食べに来たんでしょうが!と自分の欲望と戦っていたら、5、6分ほどで目的地に着いてしまった。
店名は「たこ八」。交通量がさほど多くない地方の通り沿いにありがちな、ちょっと寂れた佇まい。それにしても「たこ八」って名前、年に5人くらいはたこ焼き店と間違えて入店しちゃう人いるんじゃないのと勝手に心配になってしまう。
入口横に貼られている、開店当初からありそうな年季の入ったメニューの看板にはしっかりと「沼田名物 だんご汁」の文字が。よしよし、と思ったのもつかの間、あれ? もともとあった文字が消されて、上から小さく「野菜」と足されている。
実は「だんご汁」についてある程度調べていたので、この店が「地元で収穫したきのこ」がたっぷり入っただんご汁を売りにしていると知っていた。取材に行ったのは10月の初め。まだきのこの時季じゃないから一時的に野菜なのかとこのときは思い、意気揚々と店内へ。