上司をイラつかせる「わからない文章」を書かないための「毎日の習慣」とは
私はテニスをやっていましたが、何が良いか悪いか分かっていないビギナーの方が、ラケットだけ握って何時間練習しても、うまくなることはありません。むしろ変な癖を覚えてしまい、あとで矯正するのが難しいということになるでしょう。 しかも、そのような不完全な文書を提出して上司をイラつかせ、その指摘に自分もまたイラついているのでは、自分発信の負の連鎖です。 一方、この調査結果には出てきていませんが、40代で文章が苦手という人も大勢いるはずです。むしろ20代なら「まだ若いから」で許されるところ、40代で部下から「課長の文章、わかりにくいんですよ」などと言われたら、それこそ立つ瀬がありません。他人事ではないはずです。 自分の文章のおかしさに気づけない人は、文章を構造化して整理することができません。 結局は、小さい頃から本を読んだり、文を書いたりする必要があるという結論になるわけですが、今から上達する方法だってあるのです。それについて、これから考えていきたいと思います。
● 文章は毎日書けば絶対に上達する 最初の一文を最後に書いてもいい 私の場合は、小学生の頃に絵日記を書き続けていたのですが、これが今の自分をかなり助けていると考えています。本を読んで語彙を増やしたということもありますが、書いて考えを表現するのとは別の作業です。その行為に早いうちから慣れ親しんでいました。 なにしろ、毎日毎日書いていると、やがて自分の「型」(パターン)のようなものが自然とできてきて、一文を書いた後に次の文が繋がるように自然と浮かんでくるようになってきます。文が文を連れてくるような感覚でしょうか。 日頃から本をたくさん読んでいる子であれば、語彙や表現が脳にストックされていますので、書き進めるうちに記憶の引き出しがスっと開き、瞬時に「あ、それ使おう」「いや、今回はこっちのほうがいいかな」という選別作業も滑らかにできるようになります。 ときには書くのをストップさせて手元の本を開いたり、電子辞書を調べたりしながら「こんな言い方もあるのか。じゃ、こっちで」とやっていけば、語彙力や表現力はさらに高まります。