「与党大敗」で今後の日経平均株価はいったいどうなるのか
まずは衆議院選挙の前から相場を振り返ろう。先週の10月24日、日経平均株価は前日比でわずか38円高の3万8143円で引けた。だが、寄り付きは300円安と予想以上に売られていたことで、始値よりも終値が高い「日足陽線」となり、前日の23日まで11日間(営業日)連続していた「日足陰線」(日足陽線の逆の形)はこの日でようやく途切れた。 ■すでに10月8日から不確実性を嫌っていた市場 少しだけ基本の話をすると、投資家の日中のトレードで、翌日に不透明感がある場合は、当日で建玉(たてぎょく)を手仕舞うケースはよくあることだ。その力が大きいと、当日の寄り付き値よりも引け値が下回ることになる。ローソク足チャートではこの1日の動きを書く(チャートでは「引く」と言うが)ときには、黒(または青)で書き、これを「陰線」と呼ぶ。
逆に寄り付き値よりも引け値が高いと、白(または赤)で書いて、これを「陽線」と呼ぶ。通常のローソク足チャートは、この陽線と陰線が入り混じった形で進んで行く。 白と黒が交互に並ぶと、葬儀などに使う鯨(くじら)幕のようになるので「鯨幕相場」と呼んで、方向感のない局面を表す。また、黒が同一方向に3本出ると三羽烏(さんばがらす)と言って、相場の下降トレンドが始まる兆候だと言われる。 ただ、日経平均は、今回の11連続陰線がスタートした10月8日こそ前日比395円安だったものの、ずっと下落していたわけではない。翌日は340円高と切り返し、翌々日も102円高、その次の日も304円高で、同一方向とはなっていない。
やはり、日本の投資家が建玉を翌日に延ばしたがらない理由は、何と言っても10月27日の日本の衆議院選挙と11月5日のアメリカの大統領選挙の結果に対する不透明感があったからだ。事実、11連続陰線が始まった前出の10月8日は、衆議院が解散された10月9日の前日であることでもわかるだろう。 さて、日本の話題を独占してきたこの衆議院選挙が、ようやく10月27日で終わったわけだが、選挙戦終盤では「与党過半数割れの可能性」を報道するメディアも複数あった。そのため、選挙直前の取引最終日である10月25日は、当初売り物をこなし切れず、日経平均は一時前日比430円安となった。