上司をイラつかせる「わからない文章」を書かないための「毎日の習慣」とは
このときに「何をどう書きはじめていいかさっぱりわからない……」という人は、とりあえず思いつくことをメモして、それをながめて、項目をグループ分けすると全体が見えてきます。 ● 低い文章力が日本経済を揺るがす? 文章が上達すればストレスも低減 文章を書く能力が上達していくと、気持ちも楽になって日常からストレスが減っていきます。文章が上手であることは、実は心の安定にもつながるということです。 さらにこんな話もあります。日本漢字能力検定協会が2022年に行った調査によると、部下や後輩が書いた文章にストレスを感じたことがある(「ややある」を含む)と回答した30歳以上の社員が84.5%に達し、その主な原因に「説明不足」「語彙や表現が合っていない」「文が無駄に長い」「筋道が立っていない」「主語がわからない」などが挙がったそうです。 おそらく「顧客ターゲットがあいまいだな」「データの出所がよくわからない」「この長い説明文は今回必要なの?」といったことでしょうか。この記事の主な読者層である40代であるなら、管理職として思い当たる節があるのではないでしょうか。
さらに、上司から文章を指摘されることにストレスを感じている20代の社員も53%いるとのことですので、こうなると作文力が原因で日本中の職場がギスギスしているという話なのです。 文章の技術力が企業の労働環境に影響し、ひいては日本経済を左右するということになりかねません。メールでの文章のやりとりがビジネスの中心になってきている現在、文章力は社会的に大きな課題であると言えます。 ● 文章の間違いに気付けない人が急増 小さい頃からの努力は裏切らない この調査結果を見て私が「危険だな」と感じたのは、自分が書いた文章のどこが変であるかがわからないという人が多いということです。上司に報告するレジュメや企画書ですから何度も読み返しているはずなのです。 誤字や脱字、事実関係の見誤りといった類のミスならともかく、「主語がわからない」「文章が論理的につながっていない」ことに気づくことができず、「よし、これでOK」と意気揚々と提出してしまうのは、ある意味で怖いことだと私は思っています。