伊賀市長選、立候補6氏の横顔 三重
任期満了(20日)に伴う三重県の伊賀市長選では、現職と新人の6人が10日の投開票に向けて舌戦を繰り広げている。6人の人物像を紹介する。
◆田中覚候補、三重県方式の中を歩む◆
県議は4回連続当選、市議は3回連続当選のベテラン。「現職が理想から乖離(かいり)していった」として市長選への立候補を決意。対抗馬らを「素人集団だ」と一蹴する。 故中井洽衆院議員の元秘書。中井氏の「衆院返り咲き」を導いた。県議時代は「新政みえ」発足など、非自民勢力の統合に尽力。「まさに三重県方式の中を歩んだ」 その後は減税日本に移り、現在は維新の県総支部幹事長を務める。「その時々に応じて最善の選択をしてきた。努力が報われる社会の実現を目指す思いは変わらない」 県議選で初当選したとき、当時の後援会長から「どこに行っても議員バッジを外すな」と言われた。議員としての自覚を持ち続けろ、との意味。「今も胸に刻む」 性格は「凝り性」。趣味は登山。60歳になってから始めた。富士山をはじめ、全国各地にある3千メートル級の山々を制覇する。「登り切って初めて見える景色がある」
◆濱瀨達雄候補、経営戦略探りが趣味に◆
令和3年の市議選で初当選。市政に対する不満の声が相次いで寄せられる中で「物事を審査する側から決める側にならなければ」と、市長選への立候補を決意した。 高校卒業後は父が営む生花店を手伝い、平成26年に独立。市中心部に店を構えた。商店街の一員として「まちが沈む様子」に危機感を抱き、政治家を志した。 アウトレットモールの誘致やふるさと納税の強化など、財源確保策を公約に並べるのは商売人の経験から。「いろんな店の経営戦略を探るのが趣味になっている」 「政治は社会的に弱い立場の人のためにある」と強く思う。妹が先天性の難病を抱え、母が苦労をした経験から、「福祉を維持するため、稼げる市にしないと」。 妻、息子3人との5人暮らし。小1の次男は白血病と闘う。自らの性格は「義理人情の厚い男でありたいかな」。世界最古の管楽器「ディジュリドゥ」を奏でる。