伊賀市長選、立候補6氏の横顔 三重
◆岡本栄候補、文化や芸術に造詣深く◆
当初は今期限りでの引退も考えていたが、新人候補らを見て「ポピュリズム(大衆迎合)に走れば住民が不幸になる」と出馬。この3期12年を「80点」と採点する。 関西テレビの元アナウンサー。日航機墜落事故では犠牲者の名前を読み上げた。退職間際まで夜の天気予報などに登場。自らの選挙活動でも司会を〝兼務〟する。 周囲には「変わり者」と言われてきた。「他人と同じ」を、ことごとく嫌う。アナウンサーになったのも、教師だった両親と同じ仕事をすると思われていた経緯からだ。 文化、芸術への造詣が深い。幼い頃から「伊賀に博物館がほしい」と思っていた。社会人になってからは、骨董(こっとう)や現代美術などの作品を収集。美術館にも貸し出す。 自宅に迷い込んだネコを4年前から飼う。「今では2人暮らし」。「夫婦別姓を導入すると家族の絆は崩れる、なんてうそ。違う生き物でも大事な家族なんだから」
◆浅井健之候補、社会経験生かし公約に◆
祖母と交わした約束を果たし、地元に帰ってきた。「今の市には閉塞(へいそく)感が漂う。対話を通じて市民と一緒に明るい未来をつくりたい」と思い、立候補を決意した。 学生時代はエンジニアにあこがれつつ、海外展開に苦戦する企業への支援を志した。「そのためには、まず自分が海外に行かなければ」と考え、英国で留学した。 就職した日本政策投資銀行では「相手の望みをかなえる方法を提案する重要さを学んだ」。当時の経験を生かし、公約には「稼ぐ地域」の実現に向けた政策が並ぶ。 3年前に結婚した妻と昨年11月に生まれた長女との3人暮らし。バイクでのツーリングは妻と共通の趣味。新婚旅行は東京から北海道まで8日間をかけて走った。 中学生の頃からミスター・チルドレンのファン。「ミスチルのことなら永遠に語れる」。好きな漫画は「スラムダンク」や「ワンピース」。スポーツ観戦も楽しむ。
◆稲森稔尚候補、「格差」実感し政界志す◆
市議と県議で過去5回連続当選。25歳で初当選して以降、選挙は全て負け知らず。毎朝の街頭演説は欠かさい。「年間で1万世帯を歩いてきた」との自負がある。 大学卒業後、都内の介護施設で働いて「格差社会」を実感したのが政界を志したきっかけ。中学生のとき、知事宛てに要望書を提出したことも。「すぐ行動する性格」 座右の銘は「長いものには巻かれるな」。行政の不祥事や隠蔽(いんぺい)体質を徹底的に追及した。公文書開示請求での「黒塗り」を「隠そうとする行政の象徴だ」と嫌う。 県議時代は1人会派を貫き、役選などでキャスティングボードを握ったことも。ツイッターの投稿を巡って他会派の県議を強く批判する姿はテレビで全国放送された。 妻、小5の長女、小1の次女、両親との6人暮らし。多忙を極める中でも暇を見つけてローカル鉄道の一人旅を楽しむ。趣味を聞かれると「やっぱり街頭演説かな」