「同時進行ってできなくて、器用ではない」演技に歌に貪欲な、松下洸平の人生設計
35歳になったが、今後の人生設計については、5年、10年スパンで考えるようにしているという。 「年を重ねるごとに、身軽になっていったほうがきっといいだろうし、多くの荷物を持ちきれずに中途半端なところで手放してしまう可能性だってある。整理整頓して、いらないものを手放していくという作業も必要だろうと思うんですけど、現時点では僕はまだ、芝居と音楽の両方を持っていたい。どちらも大切なものなので、これはいばらの道なんだろうなと思います。……そんなふうに考えている今、明治から平成までを生きた音楽家の役を演じることに、勝手に不思議な縁を感じています。今は目の前のことに、全力投球です」 マルチな才能を持ちながら、「普通」であろうとする松下洸平は、どこまでも謙虚だ。唯一、客観視できていない点があるとしたら、自らのすごさに気づいていないところかもしれない。本人いわく“いばらの道”も、軽やかに踏み分けていくだろう。 --- 松下洸平(まつした・こうへい) 1987年生まれ、東京都八王子市出身。俳優、シンガーソングライター。2008年に「STAND UP!」(洸平名義)でCDデビュー。2009年にミュージカル『GLORY DAYS』で初舞台を踏み、俳優として始動。第26回読売演劇大賞 杉村春子賞・優秀男優賞受賞、第73回文化庁芸術祭 演劇部門 新人賞受賞。NHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』でヒロインの夫、八郎役でブレイクする。この春は主演舞台・音楽劇『夜来香ラプソディ』で服部良一役を演じるほか、ドラマ『やんごとなき一族』も4月より放送予定。松下洸平名義でミュージシャンとしても再デビュー。自ら作詞作曲したデジタルシングル「KISS」は3月14日から配信。