よく食べ、よく眠る姿は満たされている証。パンダの“しあわせ”から始まる偉大なサイクル[FRaU]
一方、父親の「永明」や他の兄弟姉妹は、さらなる繁殖研究に資するため中国へ旅立った。野生のパンダは、毛皮や肉を狙った乱獲や森林伐採などから約1000頭まで数が減り、絶滅のおそれがある動物に指定された。 そこで、各国が中国とタッグを組んでパンダの繁殖に力を入れ始めたのだが、なかでも〈アドベンチャーワールド〉は中国に次ぐ世界No.2の繁殖数となっているのだ。 ここで生まれたパンダたちは名前に「白浜」の「浜」の字がつく。だから、いつしかこのパンダファミリーは「浜家」と呼ばれるようになった。 「まずはひとりでも多くの方に、パンダたちのユニークな個性や魅力を知ってもらえたら! パンダをきっかけに、動物や自然の問題を知り、行動してもらうことで、他の動物や自然環境が守られるという“しあわせ”の循環も生まれます。地球全体を変えることは難しくても、パンダたちと一緒に、この場所から変えていけることがまだまだたくさんあると信じています」(熊川さん)
彩浜(さいひん)
たった75gとパーク史上もっとも小さく生まれた未熟児だったけれど、いまでは竹を毎日20kg以上食べて元気いっぱい。外見や性格は父親(永明)似。竹はもちろん、ハチミツも大好物。
楓浜(ふうひん)
2020年に誕生した、白浜のパンダファミリー「浜家」の末っ子。おやつが大好きで、一番の好物はリンゴ。何でもおいしく食べるところは母親(良浜)似?
良浜(らうひん)
2000年に日本国内で12年ぶりとなる赤ちゃんとして誕生し、2008年には双子を出産。以降7回の出産で10頭の赤ちゃんを産み育てたベテランママ! 鼻が低く、まんまるの顔が特徴。
結浜(ゆいひん)
彩浜とは反対に、197gとパーク史上もっとも大きな体で誕生! 大きな遊具にも物怖じしない好奇心旺盛な性格で、ダイナミックな動きが人気の的。頭上のとんがりがチャームポイント。 ●情報は、『FRaU S-TRIP MOOK 1200年前からサステナブル 世界遺産のくに「和歌山」』発売時点のものです(2024年10月)。