多才な建築家・彦根明さんが感動した宿はあのジブリ映画のモデルとなった聖地!
2.彦根さんが海外で感動したホテル「ヘリタンス・カンダラマ」(スリランカ)
「構造自体は単純なラーメン構造の建物なのですが、訪問して実際に空間を体験をし、ジェフリー・バワが計画から完成させるまでのエピソードを聞いてよく実現したな…と共感し、感動しました」 「素晴らしい自然環境の場所にリゾートホテルを開発するときは必ず反対意見があり、建築家は深く悩むものなんです。そんな声を受けて、バワは自然を壊さずに建築をはめていく手法を取ったように見えますが、実際に行って見てみると実はかなり攻めている建築なんです。そうしないと安全な建築にならないですし、元の岩を残しているように見えますが演出しているようにも見える。そのあたりからもバワの思いが伝わってきました」
「網戸もガラスもない開口部は確かに美しいのですが、自然が豊かな土地では害虫や動物の対策も絶対に必要です。このとき複数のスリランカのバワ建築を巡りましたが、管理する側が相当の覚悟をもって維持するための管理体制をしいている点にも感心しました」
3.彦根さんが憧れる宿「葉山 加地邸」(神奈川)
彦根さんが憧れる宿は、葉山に立つ加地邸。1928年にフランク・ロイド・ライトの愛弟子である遠藤新が設計した建物です。 「ライトから遠藤新に受け継がれた精神を体感してみたいんです。住宅として全体的に体験できるところに期待がもてます。”小さな帝国ホテル”という方もいるくらいなので」と彦根さん。
彦根さんにとってよいホテル・宿とは「土地の魅力」、「施設計画の素晴らしさ」、「ホスピタリティ」この3つがそろっていて、さらにそのバランスがよいことなのだそうです。誰にとっても指針となり得るこの諸条件を満たす滞在先は、はたして世界にいくつ存在するのでしょうか…。