元寇の「敵も含めて慰霊」に感動した福岡モンゴル国名誉領事、友好深めようと奮闘…流鏑馬にモンゴル側招く
名誉領事に就任後、地域住民らによる元寇祭などを知り、「侵攻してきた敵も含めて慰霊している」ことに心を動かされた。元寇を学び直し、750年を機により両国の交流を深めようと、イベントを開催するために福岡県や九州大などに働きかけた。
若い世代に知ってもらおうと9月末までの約2か月間、クラウドファンディングを実施。今月8日に九大に両国の研究者を招き、元寇研究のシンポジウムを開催した。長崎県松浦市・鷹島沖の鷹島海底遺跡で、元寇船の調査に携わる国学院大の池田栄史教授らも講演した。
アルタンイルデンさんは「歴史を学び、過去の反省を若い世代に引き継がなければならない。元寇や合同慰霊祭を通じて、平和について考え直すきっかけにしてもらいたい」と力を込めた。
◆元寇=モンゴル帝国(元)による日本への侵攻。文永の役では900隻で博多湾に来襲し、地上戦が行われた。1281年の弘安の役では、鎌倉幕府が同湾岸に石塁を築いて上陸を阻み、4400隻が暴風雨で壊滅したとされる。
「てつはう」紹介やスタンプラリー
元寇から750年に合わせ、各地でイベントが開かれている。
福岡県太宰府市の九州国立博物館では、特集展示「モンゴル襲来の痕跡を探る」を来年1月19日まで開催。戦いの様子を描いた模本や長崎県松浦市で見つかったさく裂弾「てつはう」などを紹介している。
同県対馬市と、壱岐市、松浦市、福岡市の計4市では来年1月末まで、アプリを使ったスタンプラリーを実施している。元軍上陸地や元寇防塁、蒙古山など28か所のうち5か所以上でスタンプを集め、アンケートに回答すると特産品が抽選で当たる。