【全日本】諏訪魔 2013年の分裂騒動を回顧「俺は2回、給料未払いの期間があるんだよ…」
全日本プロレスの諏訪魔(48)は、団体存続の危機に直面したことがある。2013年の分裂騒動だ。全日本を買収した白石伸生氏がオーナーとなったことに端を発する、この騒ぎ。いったい何があったのか。 【諏訪魔 全日本プロレス暴走史(4)】 ――武藤全日本のときに分裂騒動が起きた 諏訪魔 社長の内田(雅之)さんが白石氏を呼んできたんだよね。団体が苦しいから、どこにでも売りたいわけですよ。当時、全日本は横浜の本牧で「+AJP SPORTS&SPA」というスポーツジムをやり出しとかして、そのへんからおかしくなったんじゃないかな。そこで助けを求めちゃったんだと思う。 ――オーナーになった白石氏はどんな人だった 諏訪魔 ぶっ飛んでんなあって(笑い)。 ――他団体に対する過激な発言で波紋を呼んだ 諏訪魔 そうしたら連れてきた張本人たちが「辞めよう」と言い出した。俺は何もやってないんだよ。上でゴタゴタして、それに振り回されただけで。それで(武藤らが)W―1に行っちゃうわけじゃないですか…、俺は全日本に残って。 ――団体にとって打撃だった 諏訪魔 業界に対して迷惑をかけるし、スキャンダルをまき散らしたよね。(白石氏は)大仁田厚と電流爆破のリングにも上がっていたし…。 ――諏訪魔選手はなぜ全日本に残ったのか 諏訪魔 俺も内田さんと武藤さんに呼び出しをくらってさあ。「俺ら違うところに行くから、署名しろ」みたいな感じで。俺は全日本が好きで入っているからね。武藤敬司ファンで入ったわけじゃないから残った。そうしたら出ていった人たちは、会社をグチャグチャにしていったよね。データはなくなるわ、全部持っていったよ。全日本を潰したかったんじゃないかな。ただ、(2000年のノアとの分裂で)川田(利明)さんと渕(正信)さんだけしか残ってない状況よりはマシだったと思う ――カズ・ハヤシら仲のいい選手も団体を去った 諏訪魔 複雑だったなあ。分裂する前に北海道巡業があったんだよ。それが終わったらお別れだったんだけど、つらかった。残る人と去る人が一緒に巡業を回るわけだから。俺もいろいろ「残ってくれ」と説得したりもしたし。丁度、バーニングが来たころだった。 ――ノアから来た秋山準、潮崎豪、金丸義信、鈴木鼓太郎、故青木篤志さんですね 諏訪魔 「残ってくれ」ってお願いしたんだよ。彼らが残ってくれると全然違うからね。残ってくれて本当に良かったよ。 ――団体のその後は 諏訪魔 白石オーナーがギブアップしたんだよ。俺は白石体制が始まったときに「ヤバイ」と思っていたから、保険で営業のツテを使って山形(ケーブルテレビ山形=現ダイバーシティメディア)とのつながりをつくっておいたんだよ。 ――山形がつないでくれて現在の体制に 諏訪魔 湯島にあった白石氏が入っていたビルの家主が今の福田(剛紀)社長で「じゃあ、助けますよ」という話になった。 ――騒動を振り返って 諏訪魔 見に来てくれるファンはプロレスを楽しみたいからね。それをわけのわからないゴタゴタで…。長かったなあ。俺は2回、給料未払いの期間があるんだよ。確かあのころだよ。やっぱキツイよね。3か月とか出ないと。
小坂健一郎