顔のたるみ改善に「小顔ローラー」じつは逆効果なワケとは? 医師が教える“正しいたるみ対策”
「小顔ローラーで顔をコロコロするだけで小顔になる」と聞いて、実践している人も多いと思います。しかし、その一方で「小顔ローラーはたるみの原因で逆効果」という話も……。一体、どちらが本当なのでしょうか。「PRISM Beauty Clinic」の畑山先生に解説していただきました。 【イラスト解説】老化が進むと起こる“体の変化”
顔のたるみの原因は?
編集部: なぜ、顔のたるみが起きるのですか? 畑山先生: 顔のたるみは様々な原因がありますが、加齢が最も関係しています。年齢を重ねると皮膚の弾力に大きく関与している「コラーゲン」や「エラスチン」といった成分が減少していきます。そうすると肌の弾力が失われ、ハリがなくなり、たるみが生じてしまうのです。 編集部: ほかにも原因はありますか? 畑山先生: 加齢に伴って「表情筋の衰え」も関わってきます。表情筋は顔の皮膚や脂肪を支えている筋肉ですが、年齢とともに減少すると皮膚や脂肪を支えるのが難しくなってしまいます。その結果、重力に従って下へ垂れ下がり、たるみになってしまうのです。 編集部: 加齢以外にもたるみの原因はありますか? 畑山先生: 乾燥が進むと肌の水分量が減少し、ハリや弾力が失われてしまいます。また、紫外線を浴びることもたるみの原因です。紫外線を浴びると、コラーゲンを生み出す細胞にダメージを与え、老化を進ませてしまうのです。 編集部: 様々なことが原因になるのですね。 畑山先生: はい。そのほかに、むくみや肥満、急激なダイエットも皮膚をたるませる原因になり得ます。
小顔ローラーは効果ある? むしろ逆効果?
編集部: 自宅でできるセルフケアとして小顔ローラーが有名ですが、効き目はあるのでしょうか? 畑山先生: たしかに、たるみが気になる人のなかには、自宅で小顔ローラーや美顔ローラーと呼ばれる商品を使用している人も多いと思います。市販されていますし、手に入りやすいことから使用する人が多いのだと思いますが、満足のいく結果が得られている人はあまり多くないのではないでしょうか。 編集部: それはなぜですか? 畑山先生: たるみの原因は皮膚の表層にあるのではなく、もっと深いところにあるからです。じつのところ、たるみの原因は真皮や皮下組織、筋膜層といった皮膚の深いところにあり、そこに乾燥やダメージが進むことで、表面の皮膚がたるんでしまうのです。また、筋肉の衰えをローラーで改善することはできません。 編集部: では、小顔ローラーは意味がないということですか? 畑山先生: そうですね。むしろ、使い方を誤ると逆効果になることすら考えられます。ローラーを皮膚の上で転がすことで摩擦が起こり、色素沈着の原因になることがあるからです。また、誤った使い方により、さらにたるみがひどくなることもあります。例えば、革製のカバンに対してローラーをコロコロすれば、革がへたれてしまいますよね。これと同じことを顔におこなえば、皮膚がへたれてしまうのは想像できると思います。