ディジュリドゥ奏者で画家のGOMAさん。交通事故を機に描き始めた〈ひかりの世界〉は、大小さまざまな点の集合体
オーストラリアの伝統楽器「ディジュリドゥ」奏者であるGOMAさん。交通事故で高次脳機能障害となった後、事故を機に描き始めた作品は多くの人を魅了する(構成◎本誌編集部) * * * * * * * ◆交通事故から2日後、点を描き始めた 大小さまざまな点の集合体で描かれる“ひかりの世界”。 GOMAさんが「点描画」を描き始めたのは、2009年のことだ。交通事故で脳を数ヵ所損傷し、高次脳機能障害に。 事故から2日後に突然、4歳の娘の絵の具を使って点を描き始めたという。 以来、描かずにはいられない衝動に駆られ、作品を生み出し続けている。 「事故後、幾度も意識を失うようになり、目覚めるときはいつもひかりの中を通って戻ってきます。奥のほうは真っ白な強いひかりで、だんだんと色がつき始める――。その光景を残しておきたい、という気持ちで描いています」(GOMAさん)
◆「ディジュリドゥ」奏者としても活動の幅を広げている GOMAさんは、オーストラリアの先住民族・アボリジニが使う伝統楽器「ディジュリドゥ」の奏者として長く活躍してきた。 1998年に本場のオーストラリアで開催された「バルンガ ディジュリドゥ コンペティション」で、外国人として初受賞を果す。 演奏を始めて30年を迎えた現在も、日本における第一人者として国内外のライブや音楽フェスに出演。 2021年に行われた「東京パラリンピック」の開会式で演奏するなど、活動の幅を広げている。 5月4日から東京・表参道で開催されている個展「ひかりの世界」では、約50点もの作品を展示。生命の根源を感じさせる浮遊感、作品の緻密さと繊細さを間近で味わえるチャンスだ。 (構成=本誌編集部)
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