地球外生命を探して -太陽系の“三大名所“をめぐる 3.タイタン
谷:なるほど。20年先っていうのね、ちょっと想像が付かないところもあるかもしれないですけれども、これから海のある星や、文明がある星っていうのを探していくことになるということかもしれません。 はい。ずいぶんと遠いところまでやってきました。いろんな星を見てきましたけれども、太陽系三大名所だけではなくて、太陽系の外にも惑星があるかもしれない。そんなお話、惑星、見付かっているんだよというお話、してきました。皆さん、最初のアンケートで宇宙の生命、どんなところにどんなのがいるかな? なんて聞きましたけれども、ちょっとずつイメージ、もっともっと鮮明になってきたりとか、変わってきたようなところもあるかなと思います。 ではここで、先生にちょっと質問をしたいっていう方、質問を受け付けたいと思いますけれども、ああ、じゃあ早速手を挙げてくれたのでお願いいたします。 子供A:さっき、タイタンに海があるとおっしゃっていましたが、なんでメタンの海があるかっていうのは分かっているんですか。 関根:すごいしっかりした質問ですね。ちゃんと答えると、カッシーニっていうのはいろんなカメラを搭載しています。例えば、普通の目で見える光のカメラもあれば、赤外線を見るようなカメラもあります。赤外線っていうのは、自分の体から発する熱を見るようなカメラで、その赤外線のカメラで見えると、実は、大気を透かしてタイタンの地表を見ることができて、メタンなんかの液体があるかどうかっていうことがわかるんです。特殊なカメラでタイタンを見ると、メタン、液体のメタンがあるかどうか分かると。いや、素晴らしい質問だと思いますね。 谷:分かったかな? もうちょっと聞く? 大丈夫ですか。はい。ありがとうございました。 関根:分かった? ちょっと難しかったかな。 谷:では、ほか。もう1つ、2つぐらい質問を聞けるかと思うんですけれども、どうでしょうか。地球外生命、宇宙の生命のお話などなど。どなたかいらっしゃいませんかね。あ、手が挙がりました。じゃあ、マイクの担当の方、お願いします。 B:昔、H.G.ウェルズという作家の人が、火星人とか架空の宇宙人、書きましたけど、あの説っていうのは研究者ではどう思っているんですか。 関根:どこまで高度な生命を考えるかということだと思うんですけど。そのすごく原始的な、バクテリアみたいな微生物であれば、今言った火星、エンケラドゥス、タイタンにはいるかもしれないですね。ただ、大きい生き物になってきて、タコみたいな、歩き出すような生き物になってくると、なかなかやっぱり難しいと思います。大きい生き物はそれだけやっぱり大きいエネルギーを必要とするので、やはり地球みたいな、太陽の光も当たって、水もあると。そういうような、十分エネルギーのある場所だったらそこまで大きい生命になるかもしれませんが。なかなか火星とか、エンケラドゥスでは難しいかなっていうのが、今の研究者の考えです。 谷:逆に言うと、系外惑星とかに行けばそういうのがいる可能性っていうのも出てくるんですね。 関根:そうですね。系外惑星まで含めれば、十分あると思います。もう数の量で言えば、系外惑星、山ほどあって、その中に文明を持つような天体もあってもいいかもしれないですね。 谷:はい。ありがとうございました。さあ、もう1つぐらい受け。手、挙がりましたね。お願いいたします。 子供C:トランスフォーマーみたいな金属生命体みたいなのって、確率的にあるんですか。 関根:ああ、あるかもしれないですね。で、なんであるかもしれないかっていうと、人類みたいな有機物っていうのはやっぱりどうしても新しいものを取り入れて、自分の体を作んないといけないんですよね。エネルギーと物質を自分の中に取り入れて作んないといけない。人間もだんだん発展してきて、自分が永久に生きたいなと思ったら、自分の中の記憶であるとか、意識や考えを有機物でない無機物に移して、もう機械になっちゃったほうが長生きできるかもしれない。そういうことまで考えると、そういう機械文明みたいなのも、ひょっとしたら、人間の持っている文明の先として、トランスフォーマーみたいな金属の文明みたいなのもあるかもしれないですよね。