地球外生命を探して -太陽系の“三大名所“をめぐる 3.タイタン
関根:はい。ある種、人気投票みたいなもんなんですけれど、まず1つ目。じゃあ、火星に生命がいるんじゃないかなと思う方、いますか。あんまり人気ないですね、火星は。 谷:ちらほら。 関根:ちらほらですね。だいたい10%ぐらいか。じゃあ次。エンケラドゥスにいるんじゃないかなという方。お、すごいですね。 谷:こちらは多いですね。 関根:海水を噴出をしているというのはショッキングだったと思うんですけれども、エンケラドゥスにいるなっていうの、結構、半分ぐらいですかね。 谷:地下に海があるエンケラドゥス。こちら半分ぐらいでしたね。そして。 関根:はい。じゃあ最後にタイタンにいるんじゃないかなっていう方。タイタンも結構ありますね。本当に地球と同じようなものの、メタンの循環が起きているってことですごく重要です。 谷:はい。そして。 関根:はい。この中にいないんじゃないかなという人。 谷:やっぱまだまだ難しいかなって方、いらっしゃいますか。あ、いらっしゃいますね。 関根:まあ、そうですよね。なかなか生命、地球上でさえ、どうやって発生したか分からない生命。宇宙にどう探したらいいのかっていうのも難しい要素です。 谷:そしてもう1つは。 関根:はい。じゃあ、全部に手挙げた人っています? いないですかね。すごくこの人は楽観的な人なので。研究者に向いてると思います。 谷:なるほど。楽観的なほうが研究者には向いているのかもしれないということですけれども。はい。アンケートへのご協力ありがとうございました。 それではまた宇宙空間に戻って見てみましょう。こうしてみると、今、太陽系全体見渡せるところまで出てきています。そして、遠くにさらにずっと離れて、ちょっとだけですけれども太陽から離れたところのお話を聞いてみたいと思います。 太陽系、外に飛び出してみると、さあ、周りの星が動いていますね。そしてここで、太陽と同じように光り輝いている星の中で、系外惑星、つまり惑星を持っている星を持っている星をマークしてみます。今、黄色いマークが出ましたけれども、ここにある星はみんな惑星を持っているんですね。この辺りのお話、ちょっと先生にいただけますでしょうか。 関根:はい。太陽は、ある種、この銀河の中に数千億とある恒星のうちの1つです。その太陽の周りに地球っていう星があるわけなんですけれど、それ以外の数千億の恒星には、地球みたいな惑星がないのでしょうか。実は、最近の天文学では、そのような系外惑星と呼ばれる太陽系の外の惑星を数多く発見し、望遠鏡でその重さや大気成分まで観測しています。 今では、太陽系にある銀河のほとんど大部分、8割以上、9割ぐらいの恒星に、惑星が存在しているんじゃないかなっていうことまで天文観測で分かってきています。なので、太陽系の外まで考えれば、われわれの地球とまったく同じ星が、ある確率で存在するかもしれません。そのような第2の地球探しも天文の分野では非常に盛んに探されているというのが現状ですね。 谷:第2の地球っていうと、もしかすると文明みたいなものもあるのかもしれないですよね。 関根:そうですね。今、われわれはこの10年の間、何探してきたかというと、太陽系の外の恒星の惑星があるかどうかを探してきました。そして、数千という系外惑星を見つけています。これから10年、何を探すかっていうと、じゃあ地球みたいに海を持っている、地表面に液体の水の海を持っている天体がどれだけあるか。これが今後10年の探査目標です。 さらにそのあとの10年は、その海を持っている惑星の中どれだけ生命がいるのか。生命をそこで探すのは難しいですけど、例えばこの地球で考えれば、酸素の大気とかオゾン層みたいなものは生命が作り出しています。こういう生命の痕跡が、宇宙からも観測することができる。こういうのを探すのがその先の10年。海がある星の中の何パーセント、生命が存在するのか。で、その中で何パーセント、さらに地球みたいな文明が存在するのか。そういうのを探すのが、今後20年から30年の系外惑星の探査になっていきます。 皆さん、宇宙に文明を探すとか、まあ、ほとんど夢物語だなと思っているかもしれませんが、今から20年、30年前は系外惑星なんて1つも見つかっていなかったわけです。それが今、数千という数、見付かっている。20年、30年前に今、海を持っている惑星を探すなんてこと言ったら、こいつは何、空想言ってんだと思われていたでしょう。だから今、空想だと思っていることは、20年後、30年後には現実になるわけです。