『創建』の謎に迫る 熊本地震で被災した熊本城の国の重要文化財・宇土櫓を完全解体しての復旧工事 カギを握る『埋没石垣』は発掘調査で出てくるのか
解体が進み軸組の状態になった宇土櫓
一方、工事用の素屋根内部では建物の解体も進んでいる。 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --1月から本格的な解体を始めまして今はほぼほぼ全体が軸組になった状態ですね。 郡司琢哉アナウンサー --いや~あらためて見ても建物の構造がこんな感じなんだっていうのが 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --しっかり見て取れます。柱が多いんですよね相当重厚な造りをしててさらにはっきり見えるようになってきたのが昭和2年に全部解体して組み立てているんですがその時に入れられた鉄骨の筋交いがこれでもかという形で外側から内側まで入っているそういった状況も見て取れるようになりました 宇土櫓の建物すべてが解体されるのは昭和2年以来、約100年ぶり。その際、耐震補強の一環として鉄骨の筋交いが至る所に入れられた。 文化財の概念が定着した今では考えられない工法だったとされているが、結果的にはこうした耐震補強のおかげで熊本地震の際、倒壊を免れた。 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --こちら見ていただくと(筋交いが)クニャっと曲がっているところが見て取れると思います 郡司琢哉アナウンサー --ほんとですね 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --こちらの面でだいぶ力が加わったという状況ですね。それを筋交いが一部食い止めた
復旧は2032年度 創建の謎にどこまで迫れるか
そしてカメラは最上階の5階部分へ。 郡司琢哉アナウンサー --変わりましたね。なくなってる 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --11月の終わりに小屋組みを外したところなんですけど、今現在部材の調査を進めているところです。屋根がないと寂しいですね 郡司琢哉アナウンサー --なんかこう『これ宇土櫓です』って感じがしませんね 外された部材は素屋根内部に保管されていた。 郡司琢哉アナウンサー --こんなに大きいんですね 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --結構大きいです。解体した時はそこまで大きく見えなかったかもしれませんが。ちょうどこれがシャチホコですね 郡司琢哉アナウンサー --載ってたところ。立ってたのが横になった感じですかね 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --この部分にシャチがカポっと入っていたわけなんですけど非常にここは腐食が進んでいましたね 郡司琢哉アナウンサー --色が違いますもんね。やっぱり雨を受けているから? 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --中は空洞でしたので、下からいろいろ入り込んだり、いろんな条件でほかのところより痛みが激しい状況ですね 部材は再度使えるかどうかが判断され、古い部材については加工年代の調査も行われる予定だ。 熊本城総合事務所・岩佐康弘復旧整備課長 --木造建築物の宿命で手を入れないと朽ち果てていく。それを防ぐためには30年とか40年のスパンで、しっかり手を入れてこれがその次の世代に繋ぐということにもなりますので重要文化財、価値あるものを繋いでいく過程のひとつなんだということである意味歴史に残る作業をやっているんだなという思いですね 宇土櫓の復旧は2032年度の予定。この過程で創建の謎にどこまで迫れるかも注目だ。 (テレビ熊本)
テレビ熊本