中学入試の「国語」読解問題でとりあげられた本は? 渋幕、筑附、豊島岡女子などで出題された5冊を紹介
■2024年度「読解問題」で、実際に出題された5冊を紹介 『SNSの哲学 リアルとオンラインのあいだ』 戸谷洋志/著 創元社 1540円 不確かな時代を共に生きていくために必要な視点を提供するシリーズ「あいだで考える」の一冊。私たちの生活に溶け込んでいるSNSの利用をめぐるさまざまな現象を、哲学の視点から捉え直し、この世界と自分自身への新しい視点を提供する。 (出題校)⇒芝中、淑徳与野中、日本大学豊山女子中など 『増えるものたちの進化生物学』 市橋伯一/著 ちくまプリマー新書 880円 生命と非生命を分けるのは「増える」ことである。そして、増える能力は生命を悩める存在へと変えてしまった。私たちはなぜ生きているのか。なぜ死にたくないのか。なぜ他人が気になるのか。生命の起源と未来を見つめる知的問答の書。 (出題校)⇒学習院中等科、栄東中、筑波大学附属中、早稲田大学高等学院中学部など 『集団に流されず個人として生きるには』 森 達也/著 ちくまプリマー新書 924円 人間は群れる生き物だ。集団は強い絆と同調圧力を生み、「空気を読む」ことも求められる。また、集団は時に暴走し、人々を傷つけることもある。そこで立ち止まって「おかしい」と言うためにはどうすればよいのかを問いかける一冊。 (出題校)⇒鴎友学園女子中、法政大学第二中、立教女学院中など 『「覚える」と「わかる」 知の仕組みとその可能性』 信原幸弘/著 ちくまプリマー新書 880円 「覚えた!」「わかった!」とき、人間の中では何が起きているのだろうか。丸暗記する、まねをする、意味を理解するなどの学習の基本から、計画を立てるときのコツ、真理の探究と課題の解決、機械がひらく知の可能性などを探っていく。 (出題校)⇒渋谷教育学園幕張中、昭和学院秀英中、工学院大学附属中など 『"正しい"を疑え!』 真山 仁/著 岩波ジュニア新書 946円 他人に意見を押しつけSNSを炎上させる人もいれば、たやすく人の意見に流されてしまう人もいる。不安と不信が広がる社会で、私たちは何をよりどころにすればいいのか。自分を信じて自分らしく生きるためのヒントを、人気作家が語る。 (出題校)⇒青山学院中等部、豊島岡女子学園中など 〇解説/猪狩斉大(声の教育社)
ジュニアエラ編集部