主力不在の中、A東京と激闘を演じた広島ドラゴンフライズの中村拓人「タフな状況だからこそ、それぞれの選手が思い切ってやろう」
代表合宿への意気込み「激しい競争の中で持ち味を出し、良いパフォーマンスを見せたい」
このように試合を総括した中村は、自身のプレーについても「リングにアタックすることはできましたが、そこでキックアウトなどもっと良い判断ができました。良いところは継続しながら、もう少し改善しないといけない部分があります。ディフェンスは今日以上にやらないといけないので、そこはプライドを持ってやりたいです」と、勝つためにはさらなる改善が必要と続ける。 昨年のチャンピオンシップ、中村はルーキーながら中心選手として大暴れし、広島のリーグ制覇の原動力となった。そして今シーズンも2年目のジンクスは関係なしと言えるプレーを見せている。中村の武器として注目すべきは卓越したボールハンドリングを生かしたドライブでゴール下まで侵入できること。スピードで相手を抜き去るだけでなく、相手を翻弄するステップワークなど巧さでもディフエンスを突破できる。さらに冷静な判断力も魅力だ。今日もこの持ち味を存分に発揮し、リーグ屈指の堅守を誇るA東京を苦しめた。試合序盤の中村はゴール下にドライブしてそのままレイアップを放つことで、A東京のビッグマンに続けてブロックされたが、後半は攻め方を変え、確率良くシュートを決める適応力の高さを見せた。中村はこのように後半の変化を語る。 「リングの近くに必ずビッグマンが1人はいたので、そこで無理にゴール下まで行かずに手前でジャンプシュートを打つことなどを意識しました。チームとしてペイントにアタックすることは第1クォーターからできていて、そこからパスをさばければ、相手は外を警戒します。そうすることで中に行けるようになります。後半はそこで良い判断ができたと思います」 明日の試合が終わると、中村は11月下旬に行われるアジアカップ2025の予選WINDOWに向けた合宿に参加する。「率直に呼んでいただいたのはとても光栄ですし、僕も代表を目指してやっているのでありがたいことです」と語り、次のように意気込んだ。「呼んでもらったからには激しい競争の中で持ち味を出し、良いパフォーマンスを見せたいです。僕の強みはリングにアタックしてからのキックアウトだと思うので、そこは自信を持ってアピールできたらと思います」 ワールドカップ、パリ五輪と、日本代表のオフェンスにおいて河村勇輝がスピードを生かしたドライブでゴール下まで切れ込んで相手ディフェンスを切り崩していくのは、大きな武器となっていた。今、NBAで奮闘する河村が不在の中、彼に代わるペイントタッチのできる司令塔として、中村がサバイバルレースでどこまでアピールできるかも楽しみだ。
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