「安全で快適な出産を」 国際認証を国内初取得 長野・伊那の産院
長野県伊那市日影の「菜の花マタニティクリニック」が、安全で快適な出産環境を広める「国際出産イニシアチブ(ICI)」認証(第1段階)を国内で初めて取得した。 ICIは、国際産婦人科連合など5団体が2018年に創設した。安全で母子・家族を尊重したケアを実現するための12ステップを掲げている。「すべての女性と赤ちゃんに共感的で尊敬と尊厳を持った態度で接しましょう」「職種間連携を取りながらケアを提供しましょう」などだ。 同院看護師長で助産師の赤羽洋子(あかはねひろこ)さんがICIの理念に共感し、院内の合意形成や申請書類作成を経て、9月に国際認証を取得した。 同院は、妊産婦と助産師のコミュニケーションを重視し、助産師主導の助産師外来(妊婦健診)を7回実施しているほか、産後健診を通じて妊娠中から産後へ切れ目のない支援体制を構築している。また分娩(ぶんべん)後の入院患者に対してリラクセーションを目的としたフットマッサージを実施し、心身の回復をサポートしている。 ICIは第1段階の認証取得後、継続的な取り組みが求められる。赤羽さんは「国際的な枠組みにより自分たちの取り組みを立ち止まって見つめ直し、母子や家族を中心とした質の高いケアを展開していきたい」と話している。今後は母親に12ステップに関連した内容のアンケートを予定しているなど、妊婦や新生児、家族に寄り添った出産ケアの向上を図る。【熊谷豪】