「人工透析」の強酸性排水が下水道管を損傷 東京都が突き止め、7年かけ問題解決に導く
調査結果を重く見た都は30年10月、国に情報提供し、人工透析の業界団体にも実態を指摘。洗浄剤や中和装置を取り扱うメーカーに、水質規制に見合う製品や省スペース化された装置の開発などを依頼した。業界側も人工透析による排水が下水道管を損傷させているとの認識は「当初はほとんどなかった」(担当者)という。
ボロボロの下水道管が発見されてから約7年、23区内では未対応の透析医療施設ゼロを実現。こうした点が評価され、都下水道局と日本透析医学会などが共同で、令和6年度国土交通大臣賞の一部門に選出された。(宇都木渉)