この店、入口どこ!?2階に小さな看板が出る自由が丘の町中華。探検気分で行ってみた
■今や希少価値の町中華のド定番メニューが絶品!
ラーメンのスープはあっさりと上品な口当たり。真っ白の麺との相性も抜群で、なかなかの味わい。そして卵の風味が優しく広がる半チャーハンも美味しくて、今日の東京では希少価値を感じるほどの「ザ・町中華の味わい」そのものでした。 また、別途オーダーした「シウマイ」「焼餃子」もかなり美味しく、それぞれ餡のフレッシュな印象と皮とのバランスが最高。いずれも食事の際の「もう一品」にもちろん最適ですが、お酒のおつまみにもバッチリ合うと思いました。
■先代が47年続けた店を息子が復活させた
聞けば、この「萬珍軒」、実はここ自由が丘で47年間続いた店で地元の人たちに絶大な支持を受けながらも2019年に閉店。その後、4年の時を経て、かつての店を父と一緒に守ってきた現店主の加藤友也さんが「萬珍軒」を復活させたのだそうです。友也さんに聞きました。 「閉店後、さまざまな経緯を経て、店を復活させることにしました。しかし、資金の都合上、道路に面していない、この物件でしか再出発することができませんでした。ただし、先代の父から『お前のやり方でやってみろ』とも言われていましたので、ここでカッコつけるのではなく、ある条件の中でできることをそのまま実践することにしました」(友也さん) しかし、先代からの常連客や友也さんの友人らの間で、「萬珍軒」の復活は口コミ的に広がります。そして、大々的な宣伝なども打っていないにも関わらずの連日の大盛況。土日や夜間は予約ナシでは入れないこともあると言います。 結果的に、この「萬珍軒」の味を求めて多くの客が「建物の裏側を回って」この店に来店しているというわけです。 「本当にありがたいことです。ランチで食事していただくのも良いですし、個人の方での晩酌や宴会などにも対応しています。確かに入口が分かりにくいことは申し訳ないですが(笑)、ぜひ一度ご来店いただければ嬉しいです」(友也さん)
■まとめ
自由が丘の「萬珍軒」の入り口は建物の裏側にあり、さらに入って2階へと上がる。そこには昭和時代から受け継がれた絶品町中華が味わえるのだった! 新出店の飲食店のほとんどが「映え」「バズる」ことを目指すのに対し、「見た目や流行りは二の次」とばかりに、先代から受け継いだ味と「自分にできること」を最優先に再出発したことで、結果的に人気となっている「萬珍軒」。その入り口のわかりにくさもまた、「自分だけが知る店」といった悦に浸れることウケアイです。自由が丘来訪の際にぜひ立ち寄ってみてください! 【SHOP INFO】 店名:萬珍軒 住所:東京都目黒区緑が丘2-16-19 営業時間:11:30~14:30/17:00~22:00(平日)、11:30~21:00(土・日・祝) 定休日:水曜日
<取材・文/松田義人(deco)>