きっかけは小学生の時に組み立てた『週刊ラジコンカー』 愛車のGDB型スバル・インプレッサWRX STIは、1/1スケールのラジコンカー!
手が届かなくなる前に買いました!
エンジン編集部唯一の20代ムラヤマが担当する連載『若者だってクルマ好き!』。今回は、レーシング・カートを趣味にする、群馬県に住む26歳の鈴木雄祐さん。今の愛車、GDB型スバル・インプレッサWRX STIには、特別な思い入れがあるようです。 【写真19枚】今や貴重なGDB型インプレッサWRX STIはこんなクルマだ! 詳細画像はこちら ◆きっかけは『週刊ラジコンカー』 大学ではインターネット技術の研究開発を専攻し、卒業後3年間は複数のグローバルIT企業でコンピュータ・エンジニアとして働いていた26歳の鈴木雄祐さん。コロナ禍を機に都内から群馬県南牧村に移住し、昨年OCTAN(株)を創業。現在は中古車の注文販売や整備、レース・サポート、システム開発などを手掛けている。クルマに興味を持ったきっかけは、思いがけない出来事だった。 「小学校に上がってすぐの頃、全巻揃っていてどれも未開封の、デアゴスティーニの『週刊ラジコンカー』を伯父さんからもらったんです。それを組み立てて遊んだのがクルマ好きになった原点だし、インプレッサとの初めての出会いでした。だから一度はホンモノに乗らなきゃなと思っていました。社会人になった年の夏に買って、もうすぐ4年です」 そのクルマこそが、鈴木さんの今の愛車、GDB型のスバル・インプレッサWRX STIである。 しかし同時に、鈴木さんのクルマ好きを語るうえで外せないのはモータースポーツだ。 「中学1年の誕生日に、親がレンタルカート場に連れて行ってくれたんです。そしたら、ナニコレ、めっちゃ楽しいじゃん! と目覚めて。それから数年間は、お金を貯めて何度も自転車で通いました。高校生になってお金の問題が少し解決してきた頃、仲良くなったカート場の社長に誘われて高2の冬に念願のレース・デビュー。高3の1年間はフェスティカサーキット栃木のレースにシリーズで参戦しました。でも、お金が無いから自分だけ毎戦ぶっつけ本番で、タイヤもシーズン通して1セットでした(笑)。それでも競うのが好きで、とにかく勝負をしてみたかったんですよね」 大学に進学すると、フォーミュラ・カーにも乗り始めた。 「それまでのMAXカートよりも速くてカッコいいのに乗りたくて、FJ1600やVITA、スーパーFJにも乗りました。でもカートの方が面白いなと思って、カート・レースに戻ってきました。それに、ランニング・コストも安い! レース・キャリアを歩むならフォーミュラだと思うけれど、プライベートでやるためには、楽しめることが一番だし、お金も大事。最近は榛名モータースポーツランドの『ハルナカップ』に出場しています」 レーシング・カートの魅力について、鈴木さんはこう語る。 「動きが鋭くて体感速度が速いこと。グリップも高くて、バトルでは超接近戦ができる。コスト面でも環境面でも練習しやすいから、草レースでも競技レベルが高いのも良いんです。だって、コンマ1秒の中に6台もいるんですよ。やっぱり僕、バトル好きなんですね(笑)。コーナーで前に追いつくと興奮が止まらない!」 カートの運転技術は『ミハエル・クルムのレーシング「超」運転術』と実戦レースで勉強したそうだ。 ◆右手シフトの練習ができる 初めて所有したナンバー付きのクルマは初期型のフィアット・バルケッタ。大学に入学してまもなく買ったという。 「青色のバルケッタ、ほとんど一目惚れでしたね。当時はオープンカーに憧れていて、マツダ・ロードスターは友達が何人か持っていて被ると思ったし、バルケッタは左ハンドルの右手シフトだから、もしかしてフォーミュラの練習にもなるんじゃないか? と思った(笑)。とにかく壊れて大変だったけど、今となってはいい思い出です」 バルケッタには約1年間乗り、マツダRX-8に乗り換えた。 「バルケッタはオシャレなだけで十分な価値があるけれど、やっぱり後輪駆動が欲しかった。当時安く買えるカッコいいMT車はエイトかMR-S、ロードスターくらいでしたから」 ロータリー・エンジンのトラブルが重なり、今はナンバーを切って寝かせている。そこで乗り換えたのが2002年型のインプレッサWRX STIなのだ。 「エイトに乗ってから、もっとパワーが欲しくなって。それに何より、インプにはずっと思い入れがあったので。それに日本の旧車スポーツカーの海外での人気ぶりを見ていて、そろそろ買わないと手が届かなくなりそうだ、という焦りもありました」 大人しく走れば悪くない燃費や回頭性の良い走り、正面から見た時の顔が気に入っているという。 「なんといっても、小学生のときに散々遊んでいたラジコンカーが1/1スケールに大きくなって、その運転席に座って、自由自在に運転できるなんて。こんなに幸せなこと、他にありますか? 今でも乗るたびに、心の底からワクワクが止まりません!!」 文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正 (ENGINE2024年7月号)
ENGINE編集部
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