知らないうちに心身の健康をむしばむ、意外なストレス要因3選とその対策
感情労働の概念は新しいものではない。カリフォルニア大学バークレー校の社会学教授アーリー・ホックシールドは、大きな影響を与えた1983年の著書『The Managed Heart』の中でこの用語を生み出した。しかし近年、社会の根本的な変化により、より広い認知と変化の必要性が浮き彫りになっている。 先のコロナウイルス感染症のパンデミック中には約200万人の女性が病気の家族の世話をしたり、リモート授業中の子どもたちを監督するために家にいることを余儀なくされ、仕事を辞めざるを得なかった。「この国(アメリカ)では女性が社会的セーフティネットとして機能しています。ジェンダー平等に気を配るなら、集団的な価値観の根本的な変化がどうしても必要になる段階に達しています」とハックマンは言う。
一人で抱え込まないことが大切
「女性の感情労働に関連する燃え尽き症候群の多くは、その正しい価値の見落としや不可視性に起因します」とハックマン。「誰も立ち止まって感謝してくれなかったり、仕事をしているところさえ見られなかったりする中で、たゆまぬ仕事を続けることほど最悪なことはありません」 ハックマンは感情労働が現実であり、非常に重要であることを理解し、女性たちは承認と公平性の両方を要求する必要があると述べ、「この仕事を女性や、マイノリティを含む他の疎外されたグループに押し付け続けることはできません」と語っている。
これは人間関係においては、「いい子」を演じるのではなく、自分の気持ちを正直に話し、感情的なケアの重荷を他の家族と分かち合うことを意味する。 例えばパートナーに泣き叫ぶ子供をなだめるよう頼んでみたり、自分のきょうだいに対して、年老いた親の精神的健康を気遣う電話をかけるよう言ってみたり。最初は負担を共有することを不自然で不快に感じるかもしれないが、そうすることで将来的に自分が苦しむことを防ぐことができるだろう。
Translation & Text : Naoko Ogata