湖の侵略的外来魚についに「勝利」、在来魚食い荒らす米五大湖のウミヤツメ、どうやった?
コロナ禍で証明された効果、さらに新たな方法も
新型コロナウイルス感染症の流行で2020年から2021年にかけて駆除作業が滞ったことで、ウミヤツメの数がぐんぐん回復していくのを、関係者は手をこまねいて見ているしかなかった。 しかし、2022年に処理量が元に戻ると、再び減少し始めた。まだ数は多かったものの、意図せずしてプログラムの効果が証明されることになった。現在、GLFCは年間およそ850万匹のウミヤツメを駆除している。また、遺伝子組み換えやゲノム編集を利用した駆除方法も研究が進められている。 「今はゲノムを理解しようとしている段階で、まだ何も改変してはいません」と、ガデン氏は言う。 「けれど、遺伝学を慎重に利用することで、50~60年後には根絶は可能になるだろうと考えられています」
文=Andy Vasoyan/訳=荒井ハンナ