経済・物価改善続けば利上げ、米新政権・春闘を注視-植田日銀総裁
(ブルームバーグ): 日本銀行の植田和男総裁は6日、経済・物価情勢の改善が続けば利上げを続ける方針を改めて表明した。政策判断では米新政権の政策と今年の春闘の動向を注視していくとしている。都内で開かれた全国銀行協会の新年賀詞交歓会であいさつした。
植田総裁は金融政策について、「今年も経済・物価情勢の改善が続いていくのであれば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」と発言。調整のタイミングは経済・物価・金融情勢次第だとし、さまざまなリスク要因を注視する必要があると語った。
具体的には、トランプ次期米政権の政策を巡る不確実性は大きいとし、国内では春季労使交渉に向けた動きがポイントになると指摘。その上で、賃金・物価が広く、バランス良く上昇していくことに期待感を示した。
日銀による次の利上げのタイミングに市場の関心が集まる中、今年最初の公での植田総裁の情報発信が注目されていた。総裁は昨年12月の金融政策決定会合後の会見と同様に、政策判断では今年の春闘など賃上げの動向と20日に始動するトランプ米政権の経済政策の影響などを注視していく考えだ。
金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS) 市場では、追加利上げ時期の予想は足元で1月会合が4割台、3月会合が3割程度となっている。
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Sumio Ito