國村隼が語る『芋たこなんきん』と「朝ドラ」の魅力、韓国・アメリカの映画作りの現場での挑戦
16年を経て再放送された朝ドラ『芋たこなんきん』
山﨑賢人主演×佐藤嗣麻子監督の『陰陽師0』と、草彅剛主演×白石和彌監督の『碁盤斬り』に重要な役どころで出演している國村隼。 【画像】”新しすぎた朝ドラ”『芋たこなんきん』がいま再評価されている訳 国内外で幅広く活躍するそんな彼の名や、演じた役名「健次郎さん」や愛称「カモカのおっちゃん」がSNSで幾度もトレンド入りしていたのは記憶に新しい。 きっかけは、彼の代表作の1つ、田辺聖子をモデルとした藤山直美主演×長川千佳子のオリジナル脚本による朝ドラ『芋たこなんきん』(’06年下半期)が本放送から16年を経てNHK BSで初めて再放送されたこと。 そこで改めて名作『芋たこなんきん』のこと、朝ドラのこと、海外作品のことなど、聞いてみた。 ーー『芋たこなんきん』でヒロイン・町子を演じた藤山直美さんとの掛け合いは、どこまでセリフでどこからアドリブかわからない自然なやりとりでした。 國村隼(以下 國村) 直美さんは、脚本ではセリフが終わっていて、そのシーンが終わっていても、終えてくれないんですよ(笑)。監督もどこでカットかけて良いかわからへんわけです。 空気みたいなものを現場で作り、管理もする俳優さんなので、ある意味奔放。なおかつ台本から大きく外れたときなんかに、むしろリズムがピタッとハマってくる。そういう人とやりとりしていく中で当然僕も鍛えられました。 ――國村さんは他にも『鮎のうた』『よーいドン』『心はいつもラムネ色』『都の風』『ふたりっ子』『オードリー』『カーネーション』とたくさんの朝ドラに出演されていますが、藤山さんとの共演も『この指とまれ!!』、『心はいつもラムネ色』『ふたりっ子』、今再放送中の『オードリー』などたくさんありましたね。 國村 ついこの間『オードリー』観ましたけど、今観ると、ちょっと冷や汗の出るような芝居してましたわ(苦笑)。 『芋たこなんきん』は、直さんに引っ張られてということもあるけど、セリフに縛られず自由にやれました。今放送中の朝ドラ『虎に翼』は、もちろん作品のテイストも世界も違うんやけど、ただ、「こういうものを作りたい」というはっきりしたコンセプトがわかるところは、非常に僕らの『芋たこ』に似てるなあと思いながら、面白く観ています。 なぜこうなのか、こうしたいのかというビジョンが明確にあって、キャスティングも含めて全てがちゃんと意図され、イメージされているじゃないですか。 『芋たこ』も手前味噌ですけど 、1週間で1つのネタを完結させる大きな枠組みがあり、複数のプロットを同時に進行させていくという、その当時アメリカで『ザ・ホワイトハウス』など、アーロン・ソーキンぐらいしかやっていなかったシステムを取り入れていたんですよね。現場で理解してもらうのがちょっと難しかったかもしれません。