「中学受験」より「高校受験」に向いているのはこんな子! 高校受験専門家が考える4つのタイプ
◆高校受験が向いているタイプ3:好きな習い事を続けたい子
小学校高学年になると、中学受験塾とそのほかの習い事を両立することが難しくなります。一方でこの時期は、小学生の間に頑張ってきた習い事の集大成の時期でもあります。勉強以外の習い事を続けていきたいと考えている子にとっては、中断することはつらい決断になります。 「中学受験では、小学5年生頃になるとどうしても習い事を整理していく流れになりますよね。納得いかない思いがしこりのように残り続けてしまうと受験に集中できないケースがあります。 9歳から12歳は、スポーツをはじめとする習い事の才能や興味を伸ばしやすい『ゴールデンエイジ』と言われます。子ども自身が興味を持ち情熱を注いでいるなら、習い事を続けさせて高校受験を選ぶといいかもしれませんね。体力や精神力など、生きていくために必要なスキルの獲得にもつながります」
◆高校受験が向いているタイプ4:英語が得意な子
「中学受験と英語は相性が悪い」とも、東田先生は語っています。 「現状、中学受験の難関校で英語入試を実施している学校はほとんどなく、帰国子女入試は狭き門。小さい頃から英語を学んできた子が中学受験塾との両立ができずに途中で断念するケースもありますが、大変もったいないですね。 一方、高校受験では英語が主要科目で、合否を左右するのは英語ともいわれます。英語力を生かすことができれば高校受験では優位に立つことができるので、ぜひ高校受験をおすすめしたいです」
◆「後伸び」タイプは中学受験からの離脱も選択肢
このように、中学受験に向かないタイプの子が努力をしても結果につながらなかったとき、自己肯定感が著しく低下してしまうことが最も危険だという東田先生。 「自己肯定感は『ありのままの自分を受け入れ、自分は価値のある人間だと感じることができる心の状態』のことです。早い段階からの通塾で自己肯定感が低下してしまった子が、不登校やうつ病などにつながるなどの深刻なケースもあります」 特に公立高校を受験する場合、学校での勉強を積み重ねていけば、おのずと実力に見合った学校に届くシステムであることも高校受験の特徴なのだとか。 「学校での学習をコツコツとこなし、部活動や課外活動と両立しながら過ごし、本格的な受験勉強は中学校3年生の夏期講習以降でも志望校に手が届く可能性は十分にあります。概ね3年間しっかりと受験に特化した勉強が必要な中学受験とは違う特徴ですね。 中学受験から降り、高校受験で自己肯定感を取り戻した子の例をたくさん見てきました」 我が子が「後伸びする」タイプかもしれないと気づいたら、思い切って中学受験から離脱し、高校受験に切り替えることも選択肢として持っておきたいですね。
▼東京高校受験主義(東田高志)プロフィール
Xで4万7000フォロワー(2024年10月現在)がいる教育系インフルエンサー。首都圏の受験情報を毎日配信している。実生活では、20年のキャリアを持つ塾講師。長年、学校と塾の変化を見続け、小中学生を教えてきた。おもに首都圏を中心とした教育ウォッチャーでもある。フィールドワークとして都内各地の公立中学校や都立高校を訪問、区議会議員とのコラボイベントも開催している。
東京高校受験主義(東田高志)