「中学受験」より「高校受験」に向いているのはこんな子! 高校受験専門家が考える4つのタイプ
教育系インフルエンサーとして首都圏の受験情報を発信する東田高志(東京高校受験主義)先生のところには、「中学受験から撤退すべきかどうか」相談に来る親子が後を絶たないといいます。 【ランキング】文武両道だと思う「東京都の公立進学校」トップ5 我が子は中学受験と高校受験のどちらに向いているか、判断する基準について東田先生に聞きました。
◆高校受験が向いているタイプ1:競争適性の低い子
中学受験では、成績がクラスや座席に影響するシステムを導入している大手塾も多くあり、競争が日常になっています。勉強が好きだったり、優秀だったりする子でも、この独特な「競争」に馴染めるとは限りません。 「中学受験の競争システムに耐えきれなくなり、病んでしまう子をたくさん見てきました。実際に、円形脱毛症など体に影響が出る子もいます。 『あの子より偏差値を上げて上のクラスに行くんだ』という気持ちをモチベーションにできる子や、クラスが上がって自己肯定感が満たされる子、競争をゲームのように楽しめる子なら、中学受験向きだといえるでしょう」 一方で、「競争適性が低い」状態で、高校受験はうまくいくのか心配になります。 「生きているだけで競争適性は身についていくものです。体育祭や文化祭での発表、部活動の試合など、経験を積み重ねて子どもたちは強くなります。 高校受験は、中学受験のペーパーテスト一発勝負とは違い、内申制度や書類審査、併願優遇といったさまざまな入試制度があり、誰もが合格を得やすいシステムになっています。『勉強が得意でも競争適性が低い子』にとっては、実力を発揮しやすい環境だといえます」
◆高校受験が向いているタイプ2:早生まれや晩熟タイプ、のんびりした子
中学受験は早熟タイプが向いているという話はよく耳にしますよね。実際に、中学受験の最難関校として知られる灘中学合格者は、4~6月生まれの子どもが197人(全体の36.4%)で、1~3月生まれの子どもはわずか76人(全体の14.1%)というデータもあります。 「早生まれや晩熟タイプの子は心の成長が比較的ゆっくりで、特に小学生の頃は早熟タイプの子との差を努力で埋めるのは難しく、受験に不利となってしまいます。とはいえ、生まれ持った脳の成長スピードも、15歳になれば早熟タイプとの差が埋まってきます。 都立高校では生まれ月による合格者の割合にそれほど差がないことから、晩熟タイプの子は高校受験のほうが力を発揮しやすいでしょう」