八海山はニューヨークへ進出...世界で「日本酒」の人気が急上昇している理由
なぜ今、世界で日本酒が人気なのか
「海外で日本酒の人気が出てきている」 こうした話をニュースで耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。実際に、世界中で日本酒の人気は急上昇しています。これまで日本酒の消費は日本国内が中心でしたが、今では欧米、アジア、オセアニアなど、世界各地で日本酒が注目されています。実際に数字で見ても、2022年度までは日本酒の輸出額は増えており、2009年と比較すると6.6倍の475億円に達しています。 2023年度は、輸出金額・数量の約半数を占める中国の景気後退と、アメリカの消費マインドの低下による需要減退により、前年比86.5%の410億円となったものの、1リットルあたりの輸出金額は2022年に続いて上昇し、過去最高を記録しました。つまり、海外において日本酒は高い付加価値を提供し続けているということです。 日本酒の国内市場は4500億円と推計されているので、このほかに約1割相当が海外で販売されている計算になります。では、なぜこれほどまでに日本酒の人気は高まっているのかについて、3つの観点から見ていきます。
①和食ブームによる日本食レストランの増加 まず、国際的な日本料理ブームが挙げられます。2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、和食を扱う日本食レストランの海外出店が加速しました。実際に農林水産省の調べでは、2023年の海外における日本食レストランの数は約18.7万店。2021年は約15.9万店だったので、2年間で約20%も伸びています。地域別に見ると、アジア地域がもっとも多く12.2万店。ヨーロッパが1.6万店、アメリカが2.9万店となっています。 それと同時に、和食に合うお酒として日本酒の需要が高まり、特に寿司と日本酒のペアリングは多くの国で高い人気を誇っています。とりわけアジア地域では、高級な日本料理店で日本酒を飲むことが1つのステータスにもなっています。また、ヨーロッパではオーガニックに対する需要が高く、オーガニック認証を獲得した日本酒をPRする酒蔵も増えています。