「この絵で10年は食べていける」『わかったさんのスイートポテト』永井郁子が寺村輝夫から受けたリクエスト
いつか子どもたちに伝えたいこと
――素敵ですね。わかったさんの新シリーズは、今後も続きますか? 永井 はい。今作だけでなく、2巻、3巻と続きます。2025年の夏には、次作が出る予定ですから、楽しみにしていてください。 個人的には古事記を基にした日本画風の絵を描いているところです。本になる予定は今のところないんですけど、いつか皆さんのもとに届けたいと思っています。子どもたちの中には、因幡の白兎の物語が古事記に書いてあることを知らない子もいるでしょう。私は和のものとか古典のものに無条件に惹かれるところがあるので、ぜひ古事記を知ってほしいなと思うんです。 ――わかったさんとはテイストが全く違う、美しい絵ですね。 永井 わかったさんはどれだけ時間をかけて描いても1枚に4日間ほどですけど、このタッチでは1カ月ぐらいかかりますね。手描きで描いた輪郭線をMacに取り込んでフォトショップで陰影をつけて、さらに印刷したものに筆を入れています。こういう絵をじっくりと描いて、いつか本にできれば幸せです。 永井郁子(ながい・いくこ) 1955年広島県⽣まれ。多摩美術⼤学で油画科を卒業後、アルバイトをしながら絵本作家を⽬指す。1986年に寺村輝夫から童話創作を学んだことを機にコンビを組み、「わかったさんのおかし」シリーズや「かいぞくポケット」シリーズ(ともにあかね書房)などの挿絵を⼿がける。著書に「おしゃれさんの茶道はじめて物語」シリーズ(淡交社)など多数。 永井郁子のホームページ
ゆきどっぐ