「チームの雰囲気が悪かった」「PK戦だけにはしたくない」嫌な状況を乗り越えて前橋育英がベスト8進出。山田監督は「退場に救われてやっと互角になった」【選手権】
決勝弾の中村は「喜びが爆発」
[高校選手権・3回戦]前橋育英(群馬) 3−2 帝京大可児(岐阜)/1月2日/駒沢陸上競技場 【動画】帝京大可児で途中出場のGK緒方琉太が渾身のファインセーブ! 「帝京大可児は上手だなと。大変苦労しました」 「(相手GKの)退場がなければ、あんな内容にはなっていません。後半、11対11で戦っていればもっと攻められていたはずです。退場に救われてやっと互角になったなと」 山田耕介監督がそう話すように、前橋育英は苦戦を強いられた。前半6分、同8分にいずれもオノノジュ慶吏(3年)のゴールで2点リードしながらも、前半のうちに追いつかれてしまう。相手GKの退場(前半33分)で数的優位になったものの、それを活かせず3点目をなかなか奪えなかった。 PK戦もちらつく中、「チームの雰囲気が悪かった」と言ったのは前橋育英の中村太一(3年)だ。また、オノノジュは「追いつかれてから苦しい状況が続いて、相手がひとり少ないにもかかわらず焦っていました」と振り返っている。 前橋育英にとっては、2-2のまま嫌な時間帯が続いた。帝京大可児のカウンターに手を焼くシーンもあった。それでも前橋育英の心は折れない。後半36分、途中出場の中村がついに勝ち越し弾を決めたのだ。オノノジュは3-2と再びリードした直後の感想を次のように述べた。 「本当にホッとしたというか、嬉しかったです。前橋育英はPK戦弱いんで(笑)。PK戦だけにはしたくない想いがあって、本当に決めてくれてよかったです」 劇的なゴールが決まった瞬間、中村は「喜びが爆発しました」という。 「監督から『ゴールを決めてこい』と言われていたので、とにかく嬉しいです」(中村) 準々決勝の相手は堀越。ここを突破して国立競技場に辿り着けるか。「日本一になりたい」と中村は力強く語っていた。 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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