娘を小中高一貫校の私立に通わせたいです。年収400万円では難しいでしょうか? トータルでいくらかかるのでしょうか?
「ハイレベルな教育を受けさせたい」「将来系列の大学に入学させたい」と、小中高を私立の一貫校に通わせようと考えているご家庭も多いのではないでしょうか? しかし、小中高私立の一貫校に通わせる場合、国公立の学校と比較すると、金銭的に余裕がなければ難しいかもしれません。 そこで今回は、小中高を私立の一貫校に通わせた場合にかかる費用と年収400万円で通わせられるのか?教育費の捻出方法などについてご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
小中高すべて私立の一貫校に通った場合にかかる費用
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」によると、小中高それぞれ私立の学校に行かせた場合にかかる費用は、表1になります。
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」を基に筆者作成 小中高私立の場合、総額でおよそ約1120万円かかることが分かります。なお、小中高すべて国公立の場合は、12年でおよそ約172万円と7分の1程度の費用で収まります。
学校以外にかかる子育て費用
教育費は、学校にかかる費用だけではありません。塾や習い事・通信教育など、学校以外にかかる費用もあります。 文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、私立の小中高一貫校に通った場合、学校外にかかる費用はおよそ598万円で、12年間の平均額はおよそ50万円です。 学校にかかる費用が1120万1214円÷12で年間約93万円であることから、平均で年間143万円程度の教育費がかかる可能性があることを想定しなければなりません。ただし教育費は年によって変動がありますので、あくまで目安です。
年収400万円で子どもを小中高私立の一貫校に通わせられるのか
では年収400万円で、小中高の12年間私立の一貫校へ通わせることはできるのでしょうか? 日本政策金融公庫の調査によると、世帯年収に占める在学費用の割合は平均で14.9%です。ただし400万円~600万円未満の世帯年収では21.1%となっており、世帯年収が高いほど在学費用の割合が下がっていきます。 年収400万円の21.1%は400万円×21.1%で84万4000円であり、私立校で年間かかる費用約143万円には60万円近く足りません。 年間143万円が年収の20%として考えると、143万円÷20%で必要な年収は715万円です。しかも、入学金や学校への寄付金・学校までの日々の交通費・給食費など、ほかにも必要な費用がその都度発生します。 また、ひとりっ子であればこれだけの出費で済みますが、多子世帯の場合、その額が2倍・3倍になる可能性もあります。さらに、介護費や将来のための貯蓄、住居費なども考慮しなければなりません。 これらのことから考えても、年収400万円で小中高私立の一貫校へ通うのは、決して楽なことではないと考えられます。