梅枝から時蔵へ! 六月歌舞伎座・襲名披露でさらなる高みへ!
時蔵 そうそう、あれはコロナがちょっと落ち着いた頃に始まった行事ですね。外に出かけられないから、誰かの家に集まるようになって。僕の家は家族がいるし、壱太郎くんは実家暮らしだし、ひとり暮らしの隼人の家がいちばん気をつかわないので、それで隼人の家に集まるようになったんです。 そういえば一度、壱太郎くんの家族が留守のときにみんなで突撃して、おじいちゃん(故・坂田藤十郎さん)の酒蔵の高そうなお酒を飲みまくったこともありました(笑)。 小僧 それはまさに棒縛り的な状況ですね(笑)。さきほど自分は後輩に厳しいみたいなことを仰っていましたが、なんだかすごく仲よしじゃないですか。 時蔵 みんな嫌な顔せずつきあってくれて、やさしい後輩たちです。 小僧 今後は、古典を中心にやっていかれると思いますが、昨年の『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』に続き、今年12月には、歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』への出演が決まっていて、こちらもめちゃくちゃ楽しみです!! 時蔵 『朧の森』の出演が決まってから、初めて(松本)幸四郎のお兄さんに会ったとき、真面目な顔をして、「あの役、けっこう怒ったり、泣いたり、感情の激しい役だから、ちょっと心配なんだよね。ちっちゃい子にできるかな?」みたいな話をいきなりされて、「何を言ってるんだろう?」と思ったら、チラシに「梅枝」の名前が出ていて、12月には、もう息子が梅枝だから、ふざけて「息子にできるかな?」って話をしていたんですよね(笑)。 「いやいや、僕やりますよ! 時蔵ってチラシ刷り変えてもらいますから!」って言ってみたけれど、わからないですよね。6月以降もチラシが「梅枝」のままだったら、息子が出ると思ってください(笑)。 部長 あはは、その配役もちょっと観てみたい気が(笑)。今日は襲名前のお忙しいところ、ありがとうございました。時蔵になってもこんなバイラの取材におつきあいいただけますか?? 時蔵 もちろんです。 小僧 ありがとうございます!! では最後に読者へ意気込みをお願いいたします。 時蔵 はい。私自身、名前が変わるということをまだ実感できておりませんが、襲名というのは、名前が変わるだけでなく、代々名乗ってきた方々の芸を受け継ぐということでもありまして、その方々がどういう思いで舞台に立ってこられたのかという思いを受け継いで、そして後世に伝えていくという儀式的な意味もございます。6月はその第一歩となる公演でございますので、ぜひその一歩目をご覧になっていただきたいと思います。 小僧 これはトッティの襲名、見逃せませんね。 部長 イエス!! 新 時蔵の門出を祝いに歌舞伎座にかけつけるわよ~!