幻の高級ブランド「間人ガニ」はなぜおいしい? 日本人でもめったに食べられない希少性のワケは
数あるブランド蟹(カニ)の中でも最上級と評される「間人(たいざ)ガニ」は、京都府北部で水揚げされる“幻のカニ”として知られます。また、近海の「舞鶴かに」も名物。その味は絶品で、品質、食事処や土産店、カニごとの漁獲履歴などが分かるタグ導入なども合わせて紹介します。 【画像】産地偽装されるほど!「幻のカニ」を見分ける方法
◆「間人ガニ」は、なぜ希少価値が高い?
日本海で冬場に獲れるズワイガニの中でも、間人ガニは「大きく、身が詰まっていておいしい」と、首都圏などでも高い評価を受けています。希少価値が高いため、「幻のカニ」とも称されます。 その理由の1つは、「漁獲量が少ない」こと。間人ガニは京都府北部の京丹後市丹後町間人にある間人漁港で冬場に水揚げされ、その漁獲量は年間20トン程度です。 日帰り操業の小型底引網漁船5隻および限られた取引業者のみが、間人ガニに関わっています。漁場が近くて日帰り操業のために鮮度が高く、カニにしては珍しく「生食できる」のも貴重です。
◆最上級の“おいしさ”と特殊な生育環境
また、間人ガニのおいしさは特殊な「生育環境」が影響しています。カニが生息する深海部には、1年を通して水温が0~1℃の日本海固有水と呼ばれる水塊があり、エサとなる良質なプランクトンが生息しています。 さらに、地元の「京都府による資源管理」「生産者と流通業者を選別」することで間人ガニの高い品質を長年維持し続けてきました。2006年(平成18年)には、カニの産地として全国初の地域団体商標にも登録されています。 2024年は11月9日に初競りが行われ、最高値はオス5匹85万円(2023年は50万円)でした。漁船5隻でオス3758杯、メス1万5943杯が水揚げされ、昨年比で漁獲量はオス約2.2倍、メス約1.5倍に増加したとのことです。
◆カニ漁解禁の11月6日~翌3月末がシーズン
間人ガニの身に詰まったカニ肉は上質で繊細、その味は甘美であり、昔から多くの料理人や著名人らに愛されてきました。毎年11月6日にカニ漁が解禁され、翌年3月末までがシーズン。多くの旅行客が間人ガニなどを現地で味わおうと、京丹後エリアを訪れます。 この間人ガニを堪能するなら、京丹後エリアにある旅館に泊まるのがおすすめ。ランチで提供する食事処もあり、京都市内などからの日帰りも可能です。 例えば、京丹後市にある宿泊施設「KISSUIEN Stay&Food」では、カニのシーズンに合わせたメニューを提供。カニ刺しやゆでカニ、カニみそ、焼きガニ、カニしゃぶ、カニ天ぷらなどがコース料理や会席料理などで堪能できます。 この時期は、カニ料理とともに京丹後エリアの漁港で獲れる寒ブリやサワラなども新鮮な味わいが堪能できるのは現地ならではです。 日本海で獲れたズワイガニなどの魚介類を販売する「橘商店」は、お土産の立ち寄りスポットとして人気です。漁港から直接仕入れ、ズワイガニをはじめ旬の魚や貝などが新鮮かつリーズナブルに手に入ります。