幻の高級ブランド「間人ガニ」はなぜおいしい? 日本人でもめったに食べられない希少性のワケは
◆ズワイガニの「セコ」って何のこと?
ズワイガニは、サイズが大きいオスとあわせて、小さいながら身が詰まって値段的にも買いやすい「セコ」と呼ばれるメスのカニもおすすめ。 さらに「白ちくわ」「さばへしこ」「ツボ羊羹(ようかん)」など、地元ならではの加工品も要チェックです。
◆「舞鶴かに」も旅行客に人気のブランド蟹
一方、同じ京都府北部の日本海で獲れるもう1つのブランド蟹が「舞鶴かに」です。こちらは舞鶴漁港に水揚げされたズワイガニの中で、重さ800g以上かつ姿が整ったものだけが、舞鶴かにとして認定されます。 生まれてから7~8年、何度も脱皮を繰り返して成長し、身がぎっしり詰まった上質な舞鶴かには、生きたまま競りにかけられます。地元の舞鶴市内のほか、京阪神などへ出荷されます。 舞鶴かにと同時期に獲れる冬の魚介類としては、脂がのって身が柔らかく甘みもある「京鰆(きょうさわら)」、海のミルクと呼ばれるほど栄養価の高い「舞鶴かき」も有名です。 京都最大の水揚げ量を誇る舞鶴市にある「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」は、舞鶴かにや鮮魚を買う、お土産探しにも便利な施設。特に、その場で買った鮮魚を刺身や焼物などに調理してもらって食べられるスペース、海鮮丼や寿司屋などもあり、いずれも旅行客に人気です。
◆京都は日本海の「海の幸」が集結する一大グルメスポット
2024年からは、京都府の主な漁港でカニに取り付ける二次元バーコード付きタグ(プレート)が全国で初めて導入されました。漁獲したズワイガニに、緑のタグが付いています。 タグの表にはアルファベットと数字、裏にはQRコードが印字されています。QRコードを読み取り、表示されるWebサイトで番号を検索すると、水揚げ日や漁船名などが、いつでもどこでも誰でも確認できるようになりました。 間人ガニ、舞鶴かに以外にも、京都府北部は「海の幸」が一堂に集まる宝庫。 カニのシーズンである冬は、ブリ、冬イカ(ヤリイカ)、マガレイ(アカガレイ)など。春になるとイサザ(シロウオ)、マダイ、ハタハタなど、夏はトビウオ、マアジ、サザエ、岩ガキなど、秋はサワラ、秋イカ(アオリイカ)、アコウ(キジハタ)、ノドグロ(アカムツ)などが、それぞれ代表的な魚介類です。 つまり1年を通して多彩な魚貝などを味わうことができ、しかも鮮度は地元ならでは。 中でも冬は、やはり特別な時期。温泉や絶景とともに、舌がとろけるがごとくおいしいカニ料理や数多の海の幸が待っています。 <参考> 「海の京都 観光圏」
シカマ アキ( 飛行機の旅ガイド)