「諦めていた」プロで抑えに 柳川、手術乗り越え―プロ野球・日本ハム
パ・リーグで上位を争う日本ハムを新星が支えている。 今季途中に育成から支配下登録された柳川大晟投手が8月から抑えを任され、2日までに8セーブをマーク。「大事な場面で投げられている。やりがいがあるので楽しい」と目を輝かせる。 1日の西武戦で初めてセーブに失敗したが、夏場は驚くような活躍ぶりだった。開幕から抑えを務めた田中正が不調で登録を外れた翌日、8月7日の楽天戦。新庄監督は2―0の九回のマウンドを柳川に託した。これがプロ6試合目だった右腕に任せた理由は、厳しい場面を抑えることで、自信を付けさせて成長を促すためだった。 柳川は150キロ台の直球で押して見事にプロ初セーブを挙げた。「こんなチャンスはない。大事な試合を締められてよかった」。監督の抜てきに応えてここから抑えに定着し、好投を重ねた。 2022年に福岡・九州国際大付高から育成ドラフト3位で入団。高校時代に甲子園出場はなく、3年生の8月には右肘の手術を経験した。プロ志望届は提出したが、高卒でのプロ入りは「ほぼ諦めていた」。既に進学先も決まっていたという。しかし、190センチを超える長身から投げるスケールの大きさを評価され、「びっくりだった」という指名を受けた。 プロ1年目は体づくりなどに時間を費やし、昨季から2軍で登板を増やした。そして今年5月、3桁の背番号が2桁に変わった。 故障の経験があるからこそ、今は1軍の試合で投げられることに喜びを感じている。「いろんな人から応援してもらっていて、連絡とかもくるようになった」。21歳の言葉からは充実感がひしひしと伝わってくる。