中国人民銀行、流動性管理に新たな政策手段を導入
(ブルームバーグ): 中国人民銀行(中央銀行)は、金融システム内の流動性をより適切に管理し、経済を微調整する手段を増やすため、金融政策手段を拡大する。
人民銀は28日、プライマリーディーラーとの間で最長1年間の期間を対象にいわゆる「アウトライト・リバースレポ(RRP)取引」を毎月実施する計画を発表した。同措置は銀行システムにおける適度な流動性の維持と金融政策のツールキットの充実を目的としたものだと説明した。
RRPは、有価証券を担保として資金を借り入れる短期の貸借取引。人民銀によると、有価証券には国債、地方債、社債が含まれる。
人民銀は世界の主要中銀と同様の業務を行い、市場の借り入れコストに効果的に影響を与えることができるように、政策枠組みの改革を進めている。7日物レポ金利を主要政策手段として使用しより明確なシグナルを発信する一方、中期貸出制度(MLF)の役割を低下させている。今回の新しい業務は、恐らくこの2つの中間の位置付けとなるだろう。
スタンダードチャータード銀行(香港)の中国マクロ戦略責任者、劉潔氏によれば、新しいツールは銀行間市場に長期的な流動性を注入する可能性が高く、中国の債券発行増が見込まれる中、その助けとなる見込み。
「アウトライトレポは債券の交換を前提としているため、銀行は長期的な流動性を確保できる可能性がある」と同氏は述べ、「人民銀は、国債発行の増加を促進するために銀行を準備させることができる」と指摘した。
原題:China’s Central Bank Has New Policy Tool to Manage Liquidity (2)(抜粋)
--取材協力:Shulun Huang、Yujing Liu.
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