車椅子で電車に乗車、中年男性から「努力しろ、歩けなくなるぞ」 理不尽な言いがかりに「頑張っての今の状態。むしろ以前よりアクティブ」
パラスポーツのアスリートとして活動
――そもそも、YYさんが車椅子ユーザーになったいきさつは? 「今でもはっきりおぼえています。2016年の9月30日の事故がきっかけ。23歳のときでした。その半年前まで、僕はずっと夜職だったんです。夜職って本当にめちゃくちゃ大変な仕事で、昼の仕事の良さや大変さも経験してみようと思ったんです。 それで、現場仕事の屋根屋さんで働くようになったのですが、ある日の作業中に7メートル位のところから地面に叩きつけられて…。首の骨を折って神経も切れて右手首も折れて左足は大腿骨開放骨折までしました」 ――そこからリハビリをして、今の状況に? 「入院生活はいろいろ大変でしたし、リハビリも努力しました。それがあったからこそ、今があるんだなって思ってます!昔は全然人も信用せず、なんでも一人でできると思っていたけれど、人に頼るようになったし、人間どんな人でも一人では生きていけないって思うようになりました。 今はたくさんの友達やチームメイトがいて、いろんな方の支えもあって、めちゃくちゃ楽しく日常生活をおくってます。友人にも顔が優しくなった、ほんと雰囲気変わったよねと良く言われます」 ――スポーツは、以前から熱心にやっていたのですか? 「サッカーが好きで少しやってたくらいです。車椅子生活になってからの方がアクティブになった感じがあります。パラスポーツの選手は完全にサポートされてのアスリート雇用の人もいれば、半アスリート雇用で普通に仕事しながらアスリート活動をする人もいます。僕は、福祉の仕事をしながら、アスリートとしても活動。スポーツリハビリも含め、日々トレーニングをしてますね」 ――どんな種目を? 「車椅子ソフト、車椅子ラグビー、車椅子バスケ、車椅子フェンシング、車椅子アメフトをやってます。あとは年に一回くらいカヌーに乗ります。障害があっても楽しめるスポーツっていっぱいあるんですよ」 ――すごいアクティブに活動されているんですね。 「僕にとってのスポーツはかけがえのないもの!いろんなスポーツをやって、いろんな方と繋がって友達いっぱい作るぞーって感じです!人との交流が楽しいし、障害持っても身体動かすのは大好きです。少しでもパラスポーツに興味があったら、見学できる体験会や練習会があるのでぜひ。生で見ると結構面白いですし、迫力がありますよ!試合もいろんな地域でやっています。ぜひ見て欲しい!」 ――今後の目標はあります? 「個人的には遠征などで費用がかかってくる部分があるのでスポンサーさんを大大大募集中です。何年かかるかわからないのですが、フェンシングで上に行きたい、頑張っていきたいと思っております!!」 ◇ ◇ ポジティブな言葉しか出てこないYYさんは、「精神・知的・身体に障害を持っている人も必死に生きているのは、みんな同じ。一生懸命生きてるんです!めちゃくちゃ軽く言った言葉がすごい深い心の傷になっちゃう人もいるので、少し、ほんの少しだけ、この言葉を口にしてもいいのか?を考えて伝えてほしいって思います!思っていることでも、直接本人に言わなくていいやんってことあると思うので!」と言います。 また、車椅子の人や障害者に出会ったときも「うわー障害者!車椅子の人やー!みたいな感じにならないでほしい。みんながあなたと同じように動いたり、話したり、できるわけではないんです。それだけはわかってほしいです」。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
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