最新・ニューヨーク旅行 おすすめホテル2軒、巨匠のフードマーケット…個性派スパも
■世界的シェフが手がけた「フードマーケット」とは
独創的な空間で料理を味わえるのがニューヨークの食シーンの楽しさだ。その中心で話題を巻き起こす2人のフレンチの巨匠がいる。1人は前編で紹介したティファニー本店「ランドマーク」のカフェ「ブルーボックスカフェ」をプロデュースしたダニエル・ブールー氏。もう1人がジャン・ジョルジュ氏だ。ジョルジュ氏が手掛けた最新のフードマーケットは美食の最先端といえる。 場所はイーストリバー沿いのシーポートエリア。港町をほうふつとさせるこの場所に2022年夏、「ティン・ビルディング バイ ジャン・ジョルジュ」がオープンした。200年前は最大の魚市場だったという歴史的な建物をジョルジュ氏が監修し、8年がかりで改装した。シーフードや中華などのハイレベルな複数のレストランのほか、生鮮品、パン、総菜、キャンディショップなどバラエティー豊かなグルメショップが入居する。 食事も買い物も楽しめる食の宝庫で、人気ドラマにも登場するしゃれた空間が人々を引き寄せる。この施設の開業と音楽イベントの誘致などにより、2012年のハリケーンの被害を乗り越えたシーポートエリアは、近年来訪者が急増しているという。
■個性を競う 2つのおすすめホテル
さて、ここで「美しさ」と「クール」という、世界観が異なる2つのニューヨークらしいホテルを紹介しよう。 まず1つ目は2023年にオープンした、デザインとアートにこだわった「ザ・フィフス・アベニュー・ホテル」だ。オーナーが世界中を旅して集めたというアート作品600点が館内を彩り、ピンク、イエロー、ミントグリーン、ブルーといった柔らかい色調と豪華なインテリアが整えられている。テーマは「マンハッタンの中心にある、変幻自在の隠れ家」だという。 客室には美しい装飾のシャンデリアが下がり、趣味の良いキャビネットやテーブルなどの調度品が見事。着心地のよいバスローブから高品質のアメニティーまで至れり尽くせりで、いまのニューヨークにおいて女性が憧れるホテルの筆頭格といえそうだ。不動産業を営む一族の若いオーナーが、元銀行の物件を購入してホテルに改装。ポートレート写真ばかりを飾ったバーや、オペラのバルコニー席を設けたようなレストランも話題性十分で、今後はプライベートダイニングなどの新施設もオープンする予定だ。 もう1つおすすめのホテルが「コンラッド・ニューヨーク・ミッドタウン」。ブロードウェーの間近という抜群のロケーションで、MoMAには徒歩5分という近さ。特徴的なのは562室のうちの大半がスイートであること。広く快適な部屋にはモダンなインテリアをしつらえ、眺望も良い。大型のペントハウススイートは2階建てで、テラスルームがあるスイートなど趣の異なる部屋が用意されている。ニューヨークの夜景を眺めつつ大理石のビューバスを満喫できる部屋もあり、エグゼクティブなビジネスパーソンにおすすめしたい。