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■日本航空 エアバスA350-1000が就航
ラグジュアリーなニューヨークの旅はいかがだったろう。1つ忘れてならないのは、実際の旅路は空港から始まっているということだ。どんな航空機を選ぶか、という選択も旅の充実を大きく左右することになる。今や使い勝手や居住性が進化した新型機が続々登場し、空の競争はますます高度になっている。 今回のニューヨークの旅では、日本航空が約20年ぶりに導入した国際線の新しい主力機、エアバスのA350-1000のビジネスクラスに搭乗し、空の旅の快適さの大切さを実感した。 同機は2024年1月24日に就航した新型機で、羽田~ニューヨークを毎日運航する。一般にニューヨーク便はビジネスクラスから売れるほどビジネス需要が高いと聞くが、同機ではビジネスクラスが54席と多め。パーティションと扉によってプライバシーが保たれる個室座席は広さ十分で、ベッドモードは198センチもあってくつろぎ感は満点だ。ヘッドレスト内蔵のスピーカーで、ヘッドホンなしで映画も音楽もクリアな音質で楽しめる。 ジャケットがかけられるワードローブ、靴入れ、ワイヤレスのスマホ充電器など小物対応がきめ細かく、空間を邪魔するモノが整理できる。この新型機の特徴はノンストレスという、個室空間の快適さに尽きるといえるだろう。 特筆すべきは機内食だ。「ジャン・ジョルジュ」ニューヨーク本店でスー・シェフを務めた経験があり、現在は東京・西麻布「No Code」のオーナーシェフである米澤文雄シェフ、VIPの出張料理人として名高い狐野扶実子さんらスターシェフ監修の料理を堪能でき、話題のミクソロジスト後閑信吾さんが提案するカクテル、コーヒーハンター、川島良彰さん監修のおいしいコーヒーなどドリンク類の充実も大きなポイントだ。 あえて困ったことをあげるなら、24インチ大型4Kモニターでのプログラムが良すぎたこと。とりわけフライトシミュレーターも楽しめる運航映像が迫力満点で、つい寝る時間を惜しんで地球を旅してしまった。 ニューヨークのラグジュアリーな旅は新型機で完璧なものになった。東京―ニューヨーク間のフライトは13時間を超す。その時間が快適ならば1日得した気分になる。早くも次のニューヨーク旅を計画中だ。 文:THE NIKKEI MAGAZINE 編集長 松本和佳 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。