豪華で手頃なサイズが魅力 ジャガー Eペイス UK中古車ガイド オシはD180 見た目より広い車内
ブランドの多様化に貢献した小さなSUV
英国での販売は終了し、生産も間もなく終えるジャガー Eペイス。登場した7年前は、同社の変革を象徴するモデルといえた。若い層へアピールし、新たな顧客を獲得。ブランドの多様化に貢献した。 【写真】豪華で手頃なサイズが魅力 Eペイス 生産終了を迎えるジャガーのエンジンモデルたち (116枚) 全長4395mmの扱いやすいサイズで、販売面でも牽引役になってきた。欧州全土で見れば、約10万台が売れている。 スタイリングは、スポーツカーのFタイプへ影響を受けたもの。切れ長のヘッドライトと、高い位置で横に伸びたテールライト。抑揚のある面構成、ワイドなトレッドなど、今でもスタイリッシュに映ると思う。 他方で当初は、技術的に振るわなかった。基礎骨格は、フォード傘下時代のプラットフォーム。スチール製で車重は1768kgあり、ひと回り以上大きいFペイスに迫る重さだった。 その結果、走行時のマナーは、ジャガーへ期待される繊細さや落ち着きにやや欠けた。低速域での乗り心地はいまひとつで、快適性と操縦性のバランスに改善の余地があった。それでもステアリングの反応は正確で、颯爽と回頭し、運転は楽しめたが。 英国市場では、ガソリンターボとディーゼルターボ、復数のエンジンが用意された。駆動方式は、前輪駆動か四輪駆動を選択可能。フェイスリフト後には、マイルドとプラグインのハイブリッドも追加されている。 そのタイミングで、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツやレンジローバー・イヴォークなどと共通の、PTAプラットフォームへ変更。ZF社製の9速ATが、標準設定になっている。
オススメはD180 見た目より広い車内
中古車を選ぶなら、180psを発揮するディーゼルのD180をオススメしたい。1.5L 4気筒ガソリンや、それ以下の馬力のディーゼルは少し力不足。力強さと燃費の丁度良いバランスにある。 市街地が中心の利用なら、2.0L 4気筒ガソリンのP200やP250が良いだろう。それぞれ最高出力は、数字の通りだ。パワフルさを望むなら、P300というチョイスもある。 2019年には、300psを発揮するプラグイン・ハイブリッド、P300eが登場。電気だけで最長54km走れる、駆動用バッテリーを搭載する。ガソリンエンジンと電気モーターが協働し、非常にパワフルでもある。 ただし、中古車でも高価。こまめに充電しない限り、電動化の恩恵は受けにくい。 Eペイスの大きな強みといえるのが、Fペイスへ通じる豪華なインテリア。柔らかなレザーシートに、上品なクロームメッキ・トリム、スッキリとしたデザインのダッシュボードなど、ジャガーらしい空間を堪能できる。 一部のプラスティック製部品は、確かに少し雰囲気を濁している。品質でいえば、フォルクスワーゲン・ティグアン並みとはいえる。現代的なデジタル技術を欲するなら、フェイスリフト後がベターだ。 車内空間は、見た目より広い。背の高い大人でも、後席へ快適に座れるはず。 ジャガーはバッテリーEVブランドへ生まれ変わるが、価格帯はさらに上昇する見込み。その点、Eペイスの中古車は1万ポンド(約194万円)ほどで探せてしまう。通勤時間を上質に変えてくれるジャガーを、今こそ検討する価値はあるだろう。