「骨盤の歪み」で現れる症状とその解決法を解説 柔道整復師のアプローチとは?
「骨盤の歪み」―日常生活の中でよく聞く言葉ですが、骨が歪むとはどういうことでしょうか? そこで、骨盤の歪みが引き起こす問題や症状、そして改善するための方法について、北川 文博さん(都賀きたがわ接骨院・整体院院長)に解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
骨盤ってどんな骨? 骨なのに歪むの?
編集部: 骨盤について教えてください。 北川先生: 骨盤は脊柱(背骨)の一番下の部分と、脚の付け根をつなぐ骨の名称です。腰の両側にある出っ張った部分や、尻もちをついた時にぶつけてしまう部分も、骨盤の一部です。 編集部: お椀のような形をした骨ですよね? 北川先生: そうです。そのように表現されることも多いですね。しかし、厳密に言うと、骨盤はいくつかの骨が組み合わさってできているのです。 編集部: 1つの骨ではないのですか? 北川先生: はい。やや専門的な話になりますが、骨盤と言っても実は仙骨、尾骨、寛骨という骨の集まりです。寛骨は左右に1つずつあるので、合計すると4つの骨が組み合わさって形成されているということになります。それぞれの骨は、靭帯などで結びつけられています。 編集部: だから、骨なのに「ズレる」や「歪む」と言うことがあるのですね。 北川先生: 専門的な立場で話すと「ズレる」とはあまり言わず、「歪む」を使うことが多いのですが、仰っていることはその通りです。同じ姿勢を続けていたり、左右非対称な動きを習慣的にしていたりすると、骨同士の組み合わせが歪んでくることがあります。 女性ですと、出産の際にも骨盤が緩み、その後、歪んだままになってしまうこともあります。
骨盤が歪むとどんな症状が出るの?
編集部: 骨盤が歪むと、どんな症状が出るのですか? 北川先生: 最も多くみられるのが腰痛、そして肩こりです。骨盤と肩こりは、一見無関係のようにも感じると思いますが、骨盤の角度が変わると背骨の形にも大きく影響があり、骨盤の状態で猫背になったりストレートネックになったりすることもあります。 逆に言うと、骨盤矯正をすると、いわゆる「背骨の土台」が真っ直ぐになり、肩こりや首こりが解消されることも多くあるのです。 編集部: ほかにはどんな症状が出るでしょうか? 北川先生: 「産後に体型が戻らない」「尿漏れが気になるようになった」などの悩みも骨盤が影響していることが多く、これらの悩みをお持ちの方も骨盤矯正はお勧めです。産後にしっかりケアしておくと、その後の活動性も変わってきます。 編集部: それはなぜですか? 北川先生: 出産時はほとんどの場合、骨盤がひらいた状態になっており、骨盤周囲の筋肉も緩んでいます。そのままでいると体型を引き締めることも難しくなりますし、排尿コントロールをしているのも筋肉なので、うまく使えないと尿漏れを引き起こすのです。