序盤のパンクから2位への挽回は「予想外だった」とロッテラー。6号車ポルシェが選手権のリードを拡大
アンドレ・ロッテラーは、チームメイトのケビン・エストーレとローレンス・ファントールとともにWEC世界耐久選手権第5戦サンパウロの決勝で2位を獲得したことは、レース序盤の6号車ポルシェ963のドラマを考えると「非常に予想外」な結果だったと語った。 【動画】6号車ポルシェ(ポルシェ・ペンスキー)と12号車ポルシェ(JOTA)が接触したアクシデント ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの1台をドライブするこのトリオは、7月14日(日)にインテルラゴス・サーキットで行われたサンパウロ6時間レースで2位表彰台を獲得したことで、チャンピオンシップのリードをさらに広げている。 この準優勝は、レースの1時間目に12号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)との接触後にもたらされたもので、当時4番手を走行していたカスタマーチームのマシンをドライブしていたウィル・スティーブンスには、アクシデントのあとに30秒のストップ&ゴーペナルティが課された。 一方、ファントールがステアリングを握っていた6号車ポルシェは、接触直後に右フロントタイヤがパンクしたため、スロー走行でピットに戻らざるを得なくなったばかりか、当初予定していたピットストラテジーに狂いが生じ、ポイントを稼ぐことが危ぶまれることとなった。 「パンクした直後からローレンス(・ファントール)は挽回を図り、彼のあとにクルマに乗った僕は予選用のミディアムコンパウドタイヤで走ることになった。簡単ではなかったが、どこかの時点で使わなければならなかった」とロッテラーは語った。 「それでも、なんとか挽回することができた。4番手くらいまで順位を上げられたと思う」 「その後はハードタイヤを履いたケビン(・エストーレ)がいいペースで走ってくれた。また、フルコースイエロー(FCY)が少し助けになったように思う。それによって不運が少し好転したんだ」 6号車ポルシェは、今大会を制したセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)と同じく都合5回のピットストップで6時間レースを走りきっている 「あそこまで強力に巻き返すことができたのは予想外だった」とロッテラーは付け加えた。「思ってもみなかったよ。『入賞圏内に戻れれば幸い』程度に考えていたからね」 「この結果は、オペレーションの面でいい仕事ができていることを示している。レースウイーク初めのセットアップもまあまあだったけれど、そこからさらにマシンを改善することができた。それはポジティブだった」 「どんな状況でもそこからベストを引き出すことができる。姉妹車(の5号車ポルシェ)も表彰台に上ったし、いいチームワークだった。チャンピオンシップにとってもいい結果だと言える」 42歳のドイツ人ドライバーは、もしも5号車がレース終盤にリヤセクションの交換のためにピットインしなければ、6号車と5号車の順位が入れ替わっていた可能性を認めた。 また、仮にレース序盤のパンクがなかったとしても、圧勝した8号車トヨタに戦いを挑むことはできなかっただろう、とロッテラーは語った。彼は日曜日のトヨタ勢のペースが別次元だったかと聞かれ、次のように答えた。「ああ、完全にね」 「なんと言えばいいのだろう。僕たちがベストを尽くしたとしても(張り合えないくらい)、明らかにレベルが違っていた」 「彼らはレースを通してミディアムタイヤで走っていたから何とも言えないけれど、僕たちは半分半分という感じだった。しかし、ケビンは最終的にハードタイヤに満足していた」 「正直に言うと、僕としてはそうは思えない。彼らが何を持っているのか分からないが、このコースでの(トヨタの)クルマがすべての面でハイレベルだったのは確かだ」 [オートスポーツweb 2024年07月15日]