米大統領選 指名争いのヤマ場「スーパーチューズデー」3つのポイント
秋のアメリカ大統領選に向けた党指名候補争いのヤマ場である「スーパーチューズデー」が現地時間の3日、行われます。民主党は14の州と1つの準州の予備選がこの日に集中し、ここでの結果が、その後の夏まで続く指名候補争いの大きな流れを決めるといわれます。ブティジェッジ氏ら中道候補の撤退が直前に続き、民主党候補の争いは、78歳のサンダース氏と77歳のバイデン氏を軸としたものになりつつあります。スーパーチューズデーのポイントを、アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に展望してもらいました。 【写真】米大統領選が本格化 トランプ再選に「若者の壁」が立ちはだかる?
この1日だけで3分の1の獲得代議員が決まる
アメリカでは3月3日に予備選段階の大きな注目点である「スーパーチューズデー」を迎える。「スーパーチューズデー」をみるための3つのポイントをまとめてみたい。 現在の形に近いスーパーチューズデーがスタートしたのは1988年の選挙である。各党の大統領候補を決める予備選段階の最初の戦いであるアイオワ州党員集会、ニューハンプシャー州予備選に対抗し、注目を集めるために、テキサス、テネシー州など南部諸9州が3月8日に行った。それ以降、南部諸州以外の州も加わりながら、予備選段階の「前半の山場」として注目され続けてきた。
今年の場合、民主党の日程変更で、このスーパーチューズデーが「前半の山場」だけでなく、予備選全体の最大の山場に見える。というのも毎回、予備選段階の最後に開催されてきた大票田のカリフォルニア州(2016年選挙では6月7日に予備選)もこの日の選挙に加わることになったためである。 全米最大の代議員415人を誇るカリフォルニア州の加入で、テキサス州(228人)など14州と準州サモア分の代議員数の合計は、全代議員3979人の3分の1にあたる1344人に達する(11州と準州サモアで開かれた2016年3月1日のスーパーチューズデーは総代議員数の約2割だった)。候補者レースを戦う上での、その後の資金集めの流れを考えると、スーパーチューズデーで民主党予備選の大きなベクトルが決まるといっても過言ではない。