「落ち着きがないのは甘やかされたせい」「大声で厳しく叱るほうが伝わりやすい」ADHDの”今”を〇×チェックで正しく知る
困った行動はなぜ? 誰に相談する? 治療すればよくなる? この先どうなる? イラスト図解で基礎からわかるADHD入門書『ADHDがわかる本 正しく理解するための入門書』より、連載形式でADHDの「今」をご紹介します。今回はADHDをどれだけ理解しているかチェック! 【続き】大人のADHD簡易チェックリスト
ADHDをどれだけ理解していますか?
ADHDということばは知っていても、どんなものか正しく理解できていない人も多いものです。あなたの理解度をチェックしてみましょう。 それぞれの項目で、〇か か判断して、解説を読んでみてください。 (1)ADHDは成長すればいずれ治る 答えは…× 成長とともに多動性や衝動性は軽減されるが、不注意の特性は残りやすい。 (2)落ち着きがないのは甘やかされたせい 答えは…× 落ち着きがないのは、「多動性」というADHDの特性のひとつ。甘やかされたせいではない。 (3)病院に行っても治療法はとくにない 答えは…× 症状を抑える薬物療法があり、効果が高い。適切な行動を引き出す行動療法も有効。 (4)好きなことであれば集中できる 答えは…〇 ものごとに注意を向けるのが苦手だが、好きなことには集中できる。 (5)大人にもADHDの人はいる 答えは…〇 子どものころから症状をもち続ける人もいれば、大人になって気づく人もいる。 (6)原因は「しつけ」の問題である 答えは…× ADHDは脳機能の偏りが原因で発症する。生まれつきの特性なので、しつけとはまったく関係ない。 (7)ADHDは薬物療法で改善できる 答えは…〇 ADHDの特性は薬で抑えることができる。約8割の人に効果がみられる。 (8)子どもに薬をのませるのはよくない 答えは…× 医師の指示通りに服薬すれば安全性は高い。早期治療で二次障害を防ぐことができる。 (9)接し方を変えることで改善できる 答えは…〇 接し方を変えることで、不適切な行動を減らし、適切な行動を増やすことができる。 (10)家族の問題だから第三者に相談する必要はない 答えは…× 家族だけでの対応は難しい。医療機関や教育機関、サポートグループなどで相談を。 (11)大声で厳しく叱るほうが伝わりやすい 答えは…× 大声で厳しく叱るのは逆効果。ほめることに重点を置き、適切な行動を引き出す。 (12)仲よく遊べないのは性格の問題だ 答えは…× 脳機能の偏りにより感情のコントロールが難しく、良好な人間関係を築けないことがある。 (13)ADHDの人は、アイデアや感性が豊かな人も多い 答えは…〇 独自の感性や独創的なアイデアをいかして、社会で活躍する人も多い。