「落ち着きがないのは甘やかされたせい」「大声で厳しく叱るほうが伝わりやすい」ADHDの”今”を〇×チェックで正しく知る
特有の行動や認知によって生活に支障が生じている
ADHDは「注意欠如多動症」といい、発達障害の一つです。生まれながらにもつ行動や認知の特性によって、社会生活にさまざまな困難が生じることがあります。 人にはそれぞれ個性があり、ものごとのとらえ方や行動のしかたが違うものです。ただ、生まれもった認知や行動の特性によって、生活に大きな支障をきたしている人も少なくありません。発達過程で、一部の特性が顕著に現れるものの、その総称の一つが「発達障害」です。 発達障害のなかでもっとも多いのが「ADHD(注意欠如多動症)」で、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特性があります。自身で特性をコントロールできず、さまざまな困難を抱えることが多いため、適切な診断とともに周囲のサポートが必要です。 ■ADHDの特性 ・集中力がなく、なくし物が多い(不注意) ・落ち着きがなく動き回る(多動性) ・感情のコントロールができない ・深く考えずに突発的に行動をする(衝動性) ■発達障害の主な種類と特性 「発達障害」は診断名ではありません。子どもの発達過程で明らかになる特定の行動や認知の障害の総称です。主に次の3つの障害があります。
特性の現れ方に特徴がみられる
ADHDの特性である「不注意」「多動性」「衝動性」は、その現れ方によって、3つのタイプに分類されます。 ADHDの約8割の人は、不注意、多動性、衝動性という3つの特性が同程度に現れます。このタイプは「混合型」と呼ばれます。 残りの2割の人は、多動性や衝動性が目立つ「多動・衝動優位型」と、不注意やもの忘れがとくに目立つ「不注意優位型」です。 もの忘れはワーキングメモリーの機能低下で生じるとされていますが、多動性・衝動性にはまた別の脳機能の不調がかかわっていると考えられています。 続きは<ADHDの特性を幼児期~成人期まで細かく解説! 大人のADHD簡易チェックリストも!>で公開中!
榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)