劣勢でも揺らがぬエース結束 習志野がストレートで初戦突破 春の高校バレー
「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会は5日、東京都渋谷区の東京体育館で開幕した。女子の1回戦では、習志野(千葉)が兵庫大須磨ノ浦をストレートで下した。 【写真】兵庫大須磨ノ浦(兵庫)に勝利し笑顔を見せる習志野選手ら 第1セット25-25。習志野の結束美南(3年)は気合を入れた。「絶対去年みたいな思いはしたくない。逃げたら後悔する」。173センチの体が鞭のようにしなる。気迫の強打で2連続得点。序盤にリードされる苦しいセットをもぎ取り、チームを勢いづかせた。 最高到達点は長身選手にも劣らぬ300センチ。跳躍力を武器に38大会ぶりの出場に導いた前回大会は、3回戦で涙をのんだ。エースは「決まらなくなると気持ち的に逃げちゃう部分があった」と精神的な弱さを自覚していた。 成長の糧になったのは初の国際舞台だ。昨年6月のU-18(18歳以下)アジア選手権で代表入りし、準優勝に貢献した。「落ち着いてプレーできるようになった」。加藤泰監督も「周りのせいにしない。自分が勝たせる、というエースの自覚がついてきた」と変化を感じ取った。 2度目の春高。得意なコースにレシーバーが張り付く〝結束対策〟にも動じず、24得点と暴れまわった。今大会は(準決勝以上で使う)センターコートに立つことが一つの目標という。「ここ1点で取り切る力は他の選手に負けたくない。世代のナンバーワンになりたい」と話す点取り屋が、チームを引き上げていく。(川峯千尋)