広島 元助っ人の37歳右腕が見据える未来とは?「引退しても野球の仕事がしたい」プレミア12で再来日 小園&坂倉とも交流
11月に開催された「ラグザス presents WBSCプレミア12」は台湾の優勝で幕を閉じた。各国が熱戦を繰り広げた中、3位に入った米国代表には元広島のケイシー・ローレンス投手(37)が名を連ねた。日本戦の前には小園、坂倉の鯉戦士と交流。今季のカープ助っ人との意外なつながりも明かした。 東京ドームで行われた21日の2次リーグ・日本代表-米国代表の試合前練習中。広島から選ばれた小園、坂倉は米国代表がストレッチをする三塁ベンチ前に赴いた。視線の先にいたのは元広島のローレンスだった。通訳を交えずに談笑。かつてのチームメートと旧交を温めたローレンスは「友達として心が温かくなった。うれしかったです」と笑顔を見せた。 鯉党にとっては印象の薄い助っ人かもしれない。当時背番号70だった右腕は19年の1シーズンのみカープに在籍し、1軍での登板は同年7月3日・ヤクルト戦(マツダ)で先発した1試合だけだった。思うような成績を残せなかった日本でのキャリアだが、ローレンス自身は「日本は三振よりは打たせて守る感じだった。そこはアメリカとは違ったけど、いつでもどこでも学ぼうという姿勢は変わらない。今もその経験を生きている」と前向きだった。 カープを去って約4年が経過するが、「たまにカープがどうなっているのか、チームのスコアとか成績を見たりしているよ」と古巣を思う気持ちは強い。「友達のトーマス・ハッチが広島へ行く前に自分に結構質問をしてきていたんだ。(広島が)どんなところでチームなのかとね」と、今季在籍した助っ人にアドバイスしていたことも明かしてくれた。 そんな中、プレミア12の3位決定戦・ベネズエラ戦では先発し、6回4安打無失点。無四球で投げ抜く技巧派ぶりを披露して、チームを3位に導いた。同国のソーシア監督も「私がエンゼルスで監督をしていた時から、(ローレンスの)シアトルでのプレーを見ていた。彼の投球術を見て、ずっと気にかけていた中で素晴らしい活躍をしてくれた」と絶賛していた。 ローレンスはカープ退団後、ブルージェイズ、カージナルスと渡り歩いて、現在は古巣であるマリナーズの傘下に所属。今季は3Aで29試合に先発し、11勝11敗だった。来季も3Aからのメジャー再昇格を目指す中、「マリナーズで長くプレーしたい」と見据える。 現在37歳。キャリアも終盤に差しかかっており、「引退しても野球の仕事をしたい。フロントオフィスとか。野球に貢献していきたい」とも話す。マリナーズのフロントにはイチロー氏が会長付特別補佐兼インストラクターとして在籍している。もしかしたら…。近い将来、元鯉助っ投と日本のレジェンドが一緒に仕事をする時が来るかもしれない。(デイリースポーツ・畠山賢大)