WIN-WINの関係めざし行政と企業が新たな災害対応へタッグ 企業の駐車場を従業員とその家族らのための「車中避難所」に 三重・桑名市
三重県桑名市では、大規模災害が起きたとき、市内の高台にある工業団地と連携し、企業の駐車場を従業員とその家族らのための「車中避難所」に指定する新たな取り組みが始まりました。
21日、連携する工業団地の中核企業4社との協定式が桑名市役所で行われました。 桑名市は広大な海抜ゼロメートル地帯があり、大規模災害で浸水した場合、市内の広範囲で長期間にわたる浸水が想定されています。そのようななか、小中学校の再編統合が進み、指定避難所となっている公共施設の減少は避けられず、避難所の確保が課題となっていました。
今回、高台で浸水被害が想定されていない工業団地の駐車場を「車中避難所」として指定することで1000台分以上のスペースが確保でき、公的な避難所の混雑解消が図れるとしています。 市は、避難所の新たな確保に加え、車中避難所を集約することで支援がしやすくなり、企業にとっては、従業員の安心につながり、事業の早期再開に向けた環境が整えることができるため、双方にメリットがあるとして今回の協定に至りました。 市によりますと自治体と企業が「車中避難所」に関する協定を結ぶのは全国的にも珍しいということです。 市では今後、企業と協力して支援物資の配布・給水車の配備・救護所の設置など車中避難所の設置・運営に関する具体的な方法について検討し、訓練などを行い、市内の他の工業団地にも協定を広げていきたい考えです。