井上尚弥のSNS異例投稿に1万件の「いいね」
止まらない新型コロナウイルス感染拡大の余波でプロボクシングのWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)が17日、自身のSNSを通じてファンにサイン、握手、写真撮影などに応じられないことを訴えた。井上は4月25日(日本時間26日)に米国ラスベガスでWBO世界同級王者、ジョンリール・カシメロ(31、フィリピン)との3団体統一戦のビッグマッチを控えているため異例の厳戒態勢を敷いたもの。陣営は、試合そのものが延期となる不測の事態も危惧しており、新型コロナウイルスの蔓延に収束の方向性が見えてこなければ、今後のスポーツ界に深刻な影響を与える事態に発展してきた。
悩んだ末に異例の決断
井上尚弥は悩んでいた。 この日、井上の地元である神奈川県座間に隣接する相模原市内の病院に勤務する女性看護師の新型コロナウイルス感染が明らかになった。この病院には、国内初の死亡例となった80代女性が一時、入院をしていて、その際に院内感染をしたとみられる。 「ついに近くの相模原でも感染者が出てしまったので…本当に不安です。特にサインを求められたときや、握手、写真撮影などで一般のファンの方と接触する機会が多いので、そこで、もしかしたらのリスクが高まります。本当に申し訳ないし、批判を受けるかもしれませんが、試合が終わるまでサインや握手をできないことをお願いするしかないと思っているんですよ。どうですかね?」 実は、この日も、遠方からきたファンが大橋ジムの一階の玄関口で井上にサインをもらおうと待っていて、大橋会長が、「今はサインができないんですよ」と断る場面があった。 井上は、この日、SNSで、まず「相模原~~ 心配で不安だね、、 皆さん重々気をつけるように」と発信。大橋会長らと相談した結果、「大事な試合の前なので 次戦が終わるまで握手写真撮影は控えさせてくださいね」と、「両手を合わせてお願いしている」絵文字を3個つけて、試合が終わるまで、サイン、握手、写真撮影などのファンサービスを一時中止することを投稿した。異例のメッセージだ。 井上は、ファンに理解してもらえるか、心配していたが、その投稿には、1万件を超える「いいね」が付き、多くのファンが賛同の姿勢を示した。リプライを見ると「それをわざわざTwitterで言ってくれるチャンピオンの礼儀正しさよ」、「無論そうしましょう」、「当然です!むしろ国民の手本となる行動です」、「今の状況では、当然の対応ですよ。 試合のことだけ考えて、全力で闘ってください。 それがファンの願いだと思います」などと、井上の決断に理解を示して応援する声が多かった。